ふるはしかずおの絵本ブログ3

『あくたれラルフのクリスマス』-ラルフ、嫉妬する

あくたれラルフは、セイラのねこです。今回は、ライバルが登場します。

   

ラルフは、

いたずらが大好き。

セイラが編んでいる セーターの毛糸を ひっぱったり、

クリスマスの曲を ひいていると、

鍵盤のうえを 歩いて 邪魔をします。

 

 「ラルフ、ときどきあなたを かわいいとおもえなくなるわ

    

    

ある朝、

セイラが、かわいいねこを だっこしています。

 

 「パーシーっていうの。なかよくしてね

 

でも、

ラルフは、

パーシーにむかって、雪玉をなげ、

パーシーの靴下を 切ったり、

おもちゃの電車の線路に、しばりつけたり・・・

セイラをとられたと思うラルフは、
わるさばかりしています。

   

 「セイラは ぼくより、こいつのほうがすきなんだ・・・」

   

    

しばらくすると、

おともだちが、

パーシーを お迎えにきました。

   

 「なぁんだ。あいつ、ずっと うちにいるんじゃ なかったんだ

   

   
セイラと ラルフは、

クリスマスの プレゼントを 交換します。

セイラは、ラルフに 赤い自転車。

ラルフは、セイラに 自分の大きな絵を あげました。

   

    

 「ラルフ、やきもち やいてたの?

    

 「そんなことないよ・・・

  でも、セイラのひざのうえは、いつだって ぼくのものだからね!」

     

       ・・・

嫉妬心も重なり、ラルフはパーシーに八つ当たり気味です。おもちゃの電車の線路にパーシーをしばりつけたりするところは、確かにやりすぎです。でも、どことなく憎めないところもあります。「セイラのひざのうえは、いつだって ぼくのものだからね!」。セイラに対する、ラルフの甘えぶりも見えました。

     

ラルフの絵本は、ほかに『あくたれラルフ』『あくたれラルフのたんじょうび』『あくたれラルフのハロウィン』などがあります。

    

「子どもはつねに愛されるべき存在なのだと信じています」(ジャック・ガントス)
       ・・・

※『あくたれラルフのクリスマス』 ジャック・ガントス作、ニコール・ルーベル絵、こみやゆう訳。PHP研究所  2013年  (2023/12/22)

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