ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ぞうさん、どこにいるの?』- 森の危機をうったえる

森の中に隠れている、ぞうさん、おうむさん、へびさんをさがす絵本です。『ウォーリーをさがせ』のような絵本です。しかし、ページをめくるたびに、彼らが隠れている森が、だんだん小さくなっていきました。

  

   

 ぞうさん、 どこにいるの?

 おうむさん、どこにいるの? 

 へびさん、 どこにいるの?

     

 

はじめは 

いろいろな種類の 木が生い茂る 森。

しかし、ページを めくるたび、

木が 切りたおされ、

家が たち、

森は どんどん ちいさくなっていきます。

 

家が ふえ、

車が あらわれ、

道路が でき、

町に なり、

 

 

とうとう

おおきな都会に なりました。

ぞうさん、おうむさん、へびさんの居場所は なくなり、

「どうぶつえん」に 入れられて しまいました。

 

 

でも、

ぞうさん、おうむさん、へびさんは、

「どうぶつえん」を 抜けだし

別の森へと 逃げていきます。

    

          ・・・

文章は、「ぞうさん、どこにいるの? おうむさん、どこにいるの? へびさん、どこにいるの?」だけです。子どもたちは、絵の中に隠れているぞうさん、おうむさん、ヘビさんを見つける楽しみがあります。

     

森の木が切り倒される環境破壊の現実を、ぞうさん、おうむさん、ヘビさんに託して語ります。ページをめくるたび、彼らの住むところは、どんどん縮小していきました。それは、森の破壊、森の危機です。作者は、ブラジルでトウモロコシ畑をつくるために、ジャングルが焼き払われている光景を見ました。それが絵本創作の動機でした。

          ・・・

※『ぞうさん、どこにいるの?』 マイア・バル―作、柳田邦男絵、光村教育図書 2015年  (2024/4/11)

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