ふるはしかずおの絵本ブログ3

『世界をもっとうつくしく』

『ルピナスさん』の作家、バーバラ・クーニー(1917-2000)の伝記絵本です。

  

1917年

ニューヨークのホテル・ボサート1127号室で

バーバラ・クーニーは、ふたごで うまれました

もうひとりは、男の子でした。

    

子ども時代の 彼女は、

絵が だいすきな子でした

夏には メイン州の 海のそばで くらしました

  

   

おとなになった

バーバラは 本の挿絵を 描いてみたいと思いました

スクラッチボードで 白黒の絵を

こつこつと 描き つづけました

あなたには 色のセンスがないと、

編集者から いわれましたことも ありました

    

   

ある日の 夕暮れどき

納屋の前で 光をあびて立つ 

オンドリに 目を うばわれました

それが『チャンクティリアときつね』(1959)という絵本になりました

   

    

 バーバラは、よく旅に でました

 フランス

 ギリシャの オリンポス山

 メキシコ

 旅のなかで見つけた さまざまな色、光、花、絵を

 自分の絵のなかに、取りこみました

   

   

年をとった バーバラは

メイン州の 海辺に 家をたて

自分の人生を 描き はじめました

    

まだ、やり残したことが ありました

あたらしい 図書館を たてることでした 

しかし、

バーバラは

図書館の工事の はじまる前に なくなりました

でも、どこかで 見まもっていることでしょう

 

  

 さいごのページをめくれば、この本はおしまいになります。
 そしてまた、だれかがあたらしい本をひらくのです。
 つぎにどんな物語がはじまるのか、だれもしりません。
 

      

    

バーバラ・クーニーは、100冊以上の絵本を手がけ、アメリカでもっとも権威あるコルデコット賞を2度受賞しています。『チャンクティリアときつね』(1959)、『にぐるまひいて』(1980)です。

   

タイトルの「世界をもっとうつくしく」(WORLD MORE BEAUTIFUL)は、絵本『ルピナスさん』のなかにあります。主人公アリスとおじいさんの会話の中で、「おばあさんになったら海のそばの町にすむことにする」というアリスに、おじいさんがいいます。

   

 「アリス、もうひとつ、しなくてはならないことがあるぞ」

 「なんなの?」

 「世の中を、もっとうつくしくするために、なにかしてもらいたいのだよ

   

            ・・・

※『世界をもっとうつくしく』 アンジェラ・バーク・タンケル文、ベッカ・スタッドランダー絵、福本友美子訳 ほるぷ出版 2025年  (2026/5/25)

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