
エッツの絵本『もりのなか』の続編です。
ファンタジーのなかで、どうぶつたちと遊ぶ「ぼく」です。
ぼくが 森へ いくと・・・
どうぷつたちが ぼくを 待っていました
みんな、自分の得意なことを やって
だれのが いいばん いいか
うでくらべを しようとしています
きりんは 首を ながく のばします
あたまは 木の葉に 隠れて みえません
(絵本の画面からはみ出ています)
らいおん ものすごい声で ほえました
二ひきの さるは 枝から しっぽで ぶらさがりました
二ひきの くまは 口で あめと ぴーなっつを うけとめました
かばは おおきな 口をあけました
あひるは みずの うえに うかんでみせました
ねずみと へびは
目にもとまらぬ はやさで 草の あいだを かけぬけました
二ひきの すがたは 誰にも 見えませんでした
おうむは
「クラッカー ちょうだい ちょうだい」と、しゃべりながら
ぐるぐる とびまわりました
子どものぞうは さかだちして
はなで ぴーなっつを つまみあげました
ぼくは・・・
さかだちを して
はなで ぴーなっつを つまもうと しましたが
おかしくなって わらって しまいました
「これが、いちばん いい!
もりの どうぶつは、だれも わらえないのだもの」
どうぶつたちは 花輪をあんで ぼくの あたまに かぶせて
くれました
みんなで 行進していると
おとうさんの 声がします
「さようなら」
と 年をとったぞうが いいました
どうぶつたちは みんな いなくなって しまいました
お父さんが あらわれ
「なにが そんなに うれしいんだい?」
と、いいました
「どうぶつたちは ぼくみたいに わらって みたいんだって
だれも わらえないの」
と、ぼくは 言いました
「おとうさんだって おまえのように わらってみたいよ」
おとうさんと ぼくは 手を つないで うちへ かえりました
・・・
ファンタジーの絵本です。擬人化されたどうぶつたち。にこにこしていたり、すわっていたり、腕をくんでいたりしています。「ぼく」は、どうぶつたちに歓迎されています。
森のなかに、どうぶつがいきなり現れ、自分の得意なことを比べるところから、おはなしがはじまります。いいかえれば、エッツは、ファンタジーと現実を区別する描き方をしていません。でも、読者の子どもたちは、違和感を感じることなく、すっと、この世界に自然に入っていくことでしょう。現実とファンタジーを区別することのない子どもの心性をよく知っている作者です。
「おとうさんだって おまえのように わらってみたいよ」という、おとうさんのセリフがあります。大人の読者は、この言葉に、ほろ苦いものを感じます。子どもは、そんなことはすこしも思わないことでしょう。
・・・
※『またもりへ』 マリー・ホール・エッツ文・絵、まさきるりこ訳、福音館書店 1969年









