ふるはしかずおの絵本ブログ3

『かものむすめ』- うつくしく、しっかりとした娘

ウクライナの民話です。

 

おじいさんと おばあさんは、

きのこ狩りを していると、

足の折れた、かもを 見つけました。

  

 「うちで かうことにしよう

    

ふたりは、

かもを 巣にいれたまま 家へ つれてかえります。

そしてまた、きのこ狩りに でかけました。

 

   

ふたりが、

家に 帰ると、

家は きれいに かたづけられ、

パンが 焼かれ、

ボルシチが 湯気をたてています。

   

 「だれが やってくれたんだろう

    

    

次の日、

家のなかは もっと きれいに なっています。

足を ひきずった きれいな むすめが はいっていったよ

近所の人が 教えてくれました。

  

     

おじいさんと おばあさんは、

きのこ狩りに行く ふりをして、こやのかげに 隠れました。

うつくしい むすめが 出てきました。

すこし 足を ひきずっています。

   

    

おじいさんと おばあさんは、

家に入り、かもの巣を 燃やしてしまいました。 

巣を燃やされ、正体を知られた むすめは いいました。

 

 「わたしは でて いかなければ なりません・・・

  つむぎぐるまと つむを つくってください

   

むすめは 庭で 糸を 紡ぎはじめました。

   

 

かもの群れが、飛んできて、うたいます。

   

  わたしたちの むすめを みつけたよ・・・

  はねを なげてあげよう 

  いっしょに とんでいけるように

   

  あなたたちと いっしょに いきたくないわ

    

   

ふたつめの かもの群れが、やってきて、うたいますが、

むすめは 答えます。「あなたたちといっしょに いきたくないわ」

  

   

みっつめの かもの群れが うたいます。

 

  わたしたちの むすめを みつけたよ・・・

  はねを なげてあげよう 

  いっしょに とんでいけるように

    

かもたちは、つぎつぎと はねを 落とします。

むすめは、はねを からだに つけて、

かもの姿に なりました。

そして、なかまの群れと いっしょに 飛んでいきました。

      

         ・・・

むすめのかもは、かもの群れに向かって、一緒に行くことを、2回拒みます。

  

  あなたたちと いっしょに いきたくないわ。

  わたしが もりで あしを くじいたとき 

  だれも まってくれなかった。

  みんな とんでいって しまったじゃないの!

    

かものむすめは、じぶんの気持ちをストレートに言う人物です。自分の考えをもった、自立した女性としてえがかれています。絵は、淡い色彩の絵ですが、娘、かもの群れ、民族衣装、道具、草花、風俗がしっかりと描かれています。

      ・・・

※『かものむすめ』 ウクライナ民話、オリガ・ヤクトーヴィチ絵、松谷さやか訳 福音館書店  1994年  (2024/4/17)

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