ふるはしかずおの絵本ブログ3

『やかましい!』- でも、結局「なんて わしの いえは しずかなんだ」

くりかえしの表現がたのしい絵本です。

   

むかし、あるところに 

ふるい家に おじいさんが 住んでいました  

ある日のこと

   

 おじいさんの ベッドが きーきー

 ゆかが みしみし

 はっぱが ひゅんひゅん

 やかんが しゅー

 と いいました

    

 「やかましいったら ありゃしない

   

     

おじいさんは はかせに 相談しました

はかせは ウシと いっしょに くらすことをすすめます

    

 ウシは モーモー

 ベッドは きーきー

 ゆかは みしみし

 はっぱは ひゅんひゅん

 やかんは しゅー

   

 「ちっとも かわらん!

  

 

また、博士のところに いきました

今度は ロバを すすめられました

     

 ロバは ヒーホー

 ウシは モーモー

 ベッドは きーきー

 ゆかは みしみし

 はっぱは ひゅんひゅん

 やかんは しゅー

  

 「まだ やかましい

   

  

くりかえしです

ヒツジ、ニワトリ、イヌ、ネコ

   

 おじいさんの いえは 

 ネコは ニャーニャー

 イヌは ワンワン

 ニワトリは コッコッコ

 ヒツジは メエメエ

 ロバは ヒーホー

 ウシは モーモー

 ベッドは きーきー

 ゆかは みしみし

 はっぱは ひゅんひゅん

 やかんは しゅー

 

 「わしは もう がまんが できん

    

 

はかせは ウシ、ロバ、ヒツジ、ニワトリ、イヌ、ネコを 

手ばなすのじゃ、といいます

 

おじいさんは 

どうぶつたちを みんな 手ばなしました

そのとき ベッドが きーきー いいました

   

 「おや、なんて ちいさな おとだろう

     

ゆか

はっぱ

やかんの音も きになりません

   

 「おどろいた! なんて わしの いえは しずかなんだ

    

おじいさんはベッドに よこになり

しずかな しずかな ゆめを みました

    

        

音に悩まされる、おじいさんのドタバタ劇です。ユーモアのある展開です。けっきょく、元に戻っただけなのに、おじいさんは「なんて わしの いえは しずかなんだ」と言っています。「やかましい」という感覚は、まわりの状況や人の主観によって、ずいぶん変わるものですね。

     

くりかえしの表現のおもしろさがあります。くりかえし(反復)は強調の表現方法ですが、主題、人物像を強調します。この絵本のくりかえしは、読者のたのしい体験を強調しています。「ベッドは きーきー/ゆかは みしみし/はっぱは ひゅんひゅん/やかんは しゅー」のところは、子どもたちといっしょに言ってみるのも、おもしろいでしょう。

  

     ・・・

※『やかましい!』 アン・マクガバン文、シムズ・タバック絵、木坂涼訳、フレーベル館 2008年

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