ふるはしかずおの絵本ブログ3

『エイモスさんが かぜを ひくと』-「みんな、きてくれたのかね!」

エイモスさんと動物たちの交流を描いた心温まる絵本です。

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エイモスさんは、

朝の6時 動物園にはたらきに行きます。

仕事がいっぱいですが、

時間をつくって、ともだちのところへ出かけます。

ともだちの動物は、みんな少し変わっています。

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考えてばかりの ゾウ

エイモスさんは、いっしょにチェスをします。

かけっこが得意の カメとは、競争です。

恥ずかしがり屋の ペンギンとは、一緒にすわってあげます。

鼻をズルズルさせている サイには、ハンカチを貸してあげます。

暗いのがこわい ミミズクには、本を読んでやります。

ある日、

エイモスさんは病気になりました。

「きょうは おやすみするしかないか」

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動物園のみんなは、待っています。。

「エイモスさんは どうした?」

みんな、気になってしかたがありません。

午後になり

ゾウ、

カメ、

ペンギン、

サイ、

ミミズクはバスに乗り、エイモスさんの家に向かいます。

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すごい! みんな、きてくれたのかね!

ゾウとは チェス。

カメとは かくれんぼ。

ペンギンは エイモスさんの足を温めます。

サイは くしゃみをするエイモスさんにハンカチをくれました。

そして、みんなで紅茶を飲みます。

紅茶をいれたのはミミズクです。そして、本をよんであげます。

それから、明かりを消し、

みんなぐっすり眠りました。

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チェスをするゾウ、かけっこが得意のカメ、鼻をズルズルさせているサイの姿が笑えます。絵に遊びがあり、ユーモアがあります。動物たちを思いやるエイモスさん、動物たちのエイモスさんへの優しい気持ちがこころに残ります。病気の時や困った時に励ますのがともだちです。このようにありたい人間のすがたが典型的に描かれています。わたしたちの見たい世界です。

2011年のコルデコット賞受賞作品です。

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※『エイモスさんが かぜを ひくと』 フィリップ・C・ステッド作、エリン・E・ステッド絵、青山南訳、光村教育図書、2010年  (2020/3/8)

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