ふるはしかずおの絵本ブログ3

『へんしん すがたをかえるイモムシ』- 点描で描かれた昆虫たち

モンシロチョウナミアゲハウラギンシジミの成長過程を描いた、科学の絵本です。

   

      ・・・

春、

菜の花の葉っぱら裏に、

しろい たまご

ゴマよりも ちいさい。

  

色がかわり、

イモムシになり、

大きくなると、

  

   

 よいしょ よいしょ かわを ぬぐ

 たべて ふとって また ぬいで

 くきに のぼって、いとを はぎ

 からだを しつかり くくったら・・・

 

  

背中がわれ、

かわを ぬいで・・・

さなぎになった! 

 

色が変わり、なかが 透け、背中がわれ、

まるまった はねを ひらくと・・・

 

 ほら、みて モンシロチョウ

 

 

夏、

サンショウのはっぱに ちいさな まんまる たまご

色がかわり、

イモムシになり、

だんだん みどりになってきた

瀬下中がわれ、皮をぬぎ、さなぎになる。

色がかわり、背中がわれ、はねを ひろげると・・・

 

 ふわり ナミアゲハ

 

 

秋、

クズの つぼみに まっしろい たまご。

こんどは、ウラギンシジミの成長過程が 描かれています。

春を待つ ウラギンシジミです。

      

絵本の最後に、産卵、孵化、脱皮、蛹化、羽化について説明があります。

モンシロチョウ、ナミアゲハは、さなぎの状態で冬を越し、春に羽化します

ウラギンシジミは、チョウになって越冬します

    

監修をされた井上大成さんの詳しい「昆虫の脱皮と変態」の解説も勉強になります。その中の一文です。「地球上で知られている生き物の種類の半分以上が昆虫です。昆虫がこのように繁栄しているのは、羽根があるからだといってよいでしょう」

 

昆虫画家の桃山鈴子さんの絵は、点描です。とても丁寧で、質感までをしっかりと表現しています。

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※『へんしん すがたをかえるイモムシ』 桃山鈴子作・絵、井上大成解説・監修、福音館書店  2022年  (2023/9/9)

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