ふるはしかずおの絵本ブログ3

『絵本ことば あそび』-ちょっと おしりを ヒヤシンス!
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息子の3歳になった頃のはなしです。ことばに 関心を 示し始めた彼は『絵本ことば あそび』の中にあるこの語呂合わせを 非常に喜びました。体を「 く 」 の字に まげながら、右手をお尻にあてて、「ちょっと おしりを ヒヤシンス」と得意になって言っていたものでした。

 

  むこうの  かどを  マーガレット!

  やさしく  せなかを  ナデシコ

  いもうと  かわいい  アネモネ

  おったのは  ダリア ・・・ ? 

  それから  あめが  フリージア

  ちいさい  かびんじゃ  アマリリス

  

面白がって何度も何度もくりかえす子どもを見て、「この子もことばあそびをするまでになったのか」と感慨深く思ったものです。

         ・・・

それから、図書館で「ことばあそび」 の絵本を捜してみました。意外に数多くの絵本のあることに気がつきました。次に上げた絵本は実際に読んでやった絵本です。

 

『これは のみの ぴこ』谷川俊太郎作、 和田誠絵、 サンリード

『ままです すきです すてきです』谷川俊太郎作、タイガー立石絵、福音館書店

『もこ もこ もこ』谷川俊太郎作、 元永定正絵、 文研出版

『かっき くけっこ』谷川俊太郎作、堀内誠一絵、 ひかりのくに

『あいうえ おうさま』寺村輝夫作、和歌山静子絵、 理論社

『もけら もけら』山下洋輔作、 元永定正絵、 福音館書店

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これらの絵本以外に、

多田ヒロシ

松岡享子

馬場のぼる

まど・みちお

岸田衿子

川崎洋  

さとうわきこ  

角野栄子らの作家にすぐれたことばあそびの絵本があることを知りました。2歳から4歳にかけての子どもは、言語のリズムや韻に対して、好んで耳をかたむけるとよく言われます。ロシアの児童文学者、チュコフスキーは言っています。

 

「 人生のはじめの わたしたちは みんな詩人なのです。

 散文でべることはその後で少しずつ おぼえていくに すぎません 」

                              『2歳から5歳まで』  樹下節訳、 理論社

   

また、詩の音楽性と韻律に対して愛着を示す子どものこの「 詩的段階」を、教育者は大いに活用すべきであるとも言っています。ことば、文、文章の響き、調子、リズムがゆたかな絵本がたくさん出ています。子どもたちには、おもしろく豊かなことばの体験をいっぱいしてほしいものです。ことばをご飯のように食べ、おもちゃのように遊ぶ、豊かなことばの体験が、日本語に対する感覚や感性を育てるように思います。「ことばあそび」の絵本は、そのためのすばらしい題材のひとつです。

        ・・・

※『絵本ことば あそび』  五味太郎作 岩崎書店  1982年 (2013/9/2)

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