
語り手は、年老いた ナラの木です。
ナラの木が、自分のまわりで起こったことを 語ります。
わたしは はじめは ドングリだった
芽をだし
木になって
何百年もたった!
ハンターが 森で シカを おいかけていた
それから
森は あかるくなり、村が あらわれた
時が ながれ
村人は わたしのまわりを 畑にした
カーン カーン
男たちが 木を 切り倒し
海に 漕ぎだす 船を つくった
わたしは
村が 町に変わるのも 見た
おおきな工場が たてられた
蒸気機関車が そばを 通りすぎ
わたしの からだは ガタガタとゆれた
まわりに生えていた、ナラの木は なくなり、
いまでは、わたしが さいごの一本になった
飛行機が あたまの上を とおりすぎていく
子どもたちは、あいかわらず わたしのところへ やって来て
楽しそうに あそんだ
いま
わたしは ずいぶん 年をとった
でも、いまだに 誰の助けもかりずに 立っている
ドングリが落ち、木になっていく
わたしの子は、これからさき 何を見ていくのだろう?
・・・
巻末に、ナラの木が大きくなる間に、世界と日本におこったことが書かれています。その年表は、西暦1000年~西暦2020年になっています。ナラの木は、1000年以上も生き続けることができます。
ナラの木のまわりの自然と社会は、どんどん変化していきました。絵本のなかに、環境問題がかくされているようです。考えさせられました。また、最後に、ドングリから、ちいさなカシの木が育っていく姿が描かれています。「わたしの子は、これからさき何を見ていくのだろう?」と、作者はカシの木に語らせています。読者への「問いかけ」です。未来は見えませんが、できることなら、よいことをたくさん見てほしい、というカシの木の願いがこめられているようです。そのように読みたいと思いました。
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※『木は何を見てきたの?』 シャーロット・ギラン作、サム・アッシャー絵、高部圭司訳、化学同人 2021年









