ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 なぜ 戦争は よくないか 』-姿をたくみに隠し、人びとにしのびよる戦争

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戦争とは何かを つたえる絵本です。
戦争を擬人化して
人びとの平和な生活や 生きものたちの営みと対比して、
戦争の恐ろしさを たたみ掛けるように語ります。
 (ゴチックは、作者のことばです)
     
 戦争はなんでもできる
 どんな国の言葉も話すことができる

  ( 身近にある 戦争 )
     
 戦争は 
 戦争の目で
 ものを見るのよ

  ( ものの 価値を )
     
 子育て中の母親たちのところにも
 戦争は 
 やってくるの

  ( 子どもたちに 近づいてくる )
2
 戦争は
 たくさん経験を積んでも 
 すこしも賢くならない

  ( わたしたちが 学ばなければならない )
     
 戦争は
 じぶん勝手な 
 とてつもない
 大食らい

  ( 破壊して なにも残さない )
     
いや
残すものが ある。
目にみえない 汚染物、
戦争のしみこんだ 水
みんなを 病気にしてしまう 水。
     ・・・
 それでも
 戦争が正しいというなら
 ある日
 みんな
 飲まなければいけなくなるわ
 戦争のしみこんだ 
 水を
 この場所で

3
4
戦争の本質を、するどくえぐる文章です。
戦争のしみこんだ 水。
とても 恐ろしいメージです。   
と言うより、
現実。
子どもたちに 背負わせてはならない 負の遺産です。
     ・・・
アリス・ウォーカーは、『 カラー パープル 』で、黒人女性としてはじめて、ピューリッツァー賞(1983年)を受賞した人でした。
表紙カバーに、彼女の言葉があります。
     
 戦争が、姿をたくみに隠し、人びとの平和な日々にしのびよる
 - そのおそろしさを伝えることが、子どもたちを守るひとつの手だ 
 てになると信じています

     
※ 『 なぜ 戦争は よくないか 』 アリス・ウォーカー作、 ステファーノ・ヴィタール絵、 長田 弘訳  偕成社  2008年
小学校高学年の子どもたちに 読んでほしい絵本です。もちろん大人にも。 (2016/2/23)

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