ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 しごとを とりかえた だんなさん 』 - 家事は楽な仕事ですか ?

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ノルウェーの昔話です。
      
むかし、
ちいさな家に 若いお百姓の夫婦が 住んでいました。
      
 だんなさんは 畑仕事。
 おかみさんは 家事。

     
ある夕方、だんなさんは、おかみさんに言いました。
「 おまえは、ずいぶん らくなくらしを しているもんだ。 」
おかみさんは、答えました。
「 それなら、 あすから しごとをとりかえようよ。 」
     
 だんなさんは 家事。
 おかみさんは 畑仕事。

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でも、だんなさん。
 ( 予想はつきますが )
卵は 割るし、
ミルクは ねこに飲まれるし、
リンゴ酒も ぜんぶ こぼしてしまいました。
料理は めちゃくちゃ。
部屋も めちゃくちゃ。
      ・・・
それから、だんなさんは、
屋根のうえの草を 牛に食べさせようとします。
でも、牛は、屋根からすべりおち、
自分は 鍋のなか。
おかみさんは 大笑いです。
 ( 読者も大笑い。 )
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 おまえさんには ・・・
 はたけしごとの ほうが、おにあいのようだよ。
     
家事はたいへんな仕事。おくさんの仕事をやってみて、その苦労がわかった だんなさん。その真実はノルウェーだけのことではありません。どこでも同じ、いまも同じかもしれません。この絵本は、おとうさんに読んでほしい絵本です。読み手は、おとうさんに決まりです。
     ・・・
※『 しごとを とりかえた だんなさん 』  ウィリアム・ウィースナー絵  あきのしょういちろう訳 童話館出版 2002年  (2018/8/10)

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