ふるはしかずおの絵本ブログ3

『かあちゃん かいじゅう』― 「昭和」の時代を感じます

ぼく(りゅうのすけ)、かあちゃん 、とうちゃん、おじいちゃん、おばあちゃん、3世代同居の家族のはなしです。
元気印のかあちゃんとダイナミックな絵。

文と絵がぴったりです。

 

     ・・・

かあちゃん。かいじゅうの えいが つれてって。

「おしごと いそがしいから だめ。」

とうちゃんに頼むと、

「これから、いい ところに おでかけや。かあちゃんに おがんで おがんで おがみたおせ。」

 (財布の中身を確認しているとうちゃんが絵に描かれています)

 (おそらくギャンブルに行こうとしているんでしょうね。)

     ・・・

おじいちゃん

おばあちゃんは

ぼく(りゅうのすけ)に味方してくれるけど、

かあちゃんは、

「だめです。あまやかしたら くせに なります。」と言って、

ぜんぜん きいてくれません。

「かいじゅうだー」とかあちゃんをおどかす ぼく。

かあちゃんは、笑い転げる。

「りゅうのすけ、そんなに いきたいの?」

「うん」

「じゃ、あした いこ。」

     ・・・

映画に行く、その日の朝、

怪獣のまねをする かあちゃん。

うわーっ。

と、ぼくをおどかす。

「かいじゅうって おもしろいな」

と、かあちゃんは笑い転げた。

最後のページは?

家族みんなで、映画館の前にいます。

ストーリーはシンプルです。怪獣映画に行きたいぼく。絶対ダメというかあちゃん。無責任なとうちゃん、ぼくに味方してくれるおじいちゃんとおばあちゃん。映画に行くことをめぐる、3世代家族のひと騒動です。都会では、いまどきこのような家族はすくないでしょう。また、「怪獣映画」や絵の雰囲気から「昭和」を感じます。ゴジラ、ラドン、モスラの映画を見ていた頃が懐かしい。

 

長谷川義史さんのダイナミックな絵は「かあちゃん」の人物像にぴったりでした。

      ・・・

※『かあちゃん かいじゅう』内田麟太郎作、長谷川義史絵、ひかりのくに 2003年 (2021/3/21)

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