ふるはしかずおの絵本ブログ3

『むかしのしょうぼう いまのしょうぼう』- 消防から見えてくる時代

江戸時代の火消し、明治初期、大正時代、昭和初期、1950年代、60年代の消防、そして、いま(1981年)の消防をくらべています。

     

 

江戸時代の 火消しは、

火が 燃え ひろがらないように、

まわりの家を 壊すだけだった。

竜吐水、桶、まとい、火の見櫓が、描かれています。

 

 

明治時代

蒸気ポンプを 人や馬が 引いて、

ガラガラ、ガラガラ。

火事場に むかう。

 

 

1920年ごろ

ポンプ車(アメリカからの輸入車)

水管車(ダッジ)

木製はしご車(ベンツ)

 

 かじだ! それゆけ。

 ウーウー、カンカン

 しょうぼうじどうしゃが はしる。

 

1935年ころ

ポンプ車(国産)、

救急車、

照明車(ダッジ)

 

1950年ころ

はしご車(ベンツ)、小型ポンプ車(ジープ)、水槽付きポンプ車

 

1960年ごろ

ポンプ車、はしご車、高圧ポンプ車、救急車が出動。

ピカピカ ひかる 赤燈が ついた。

 

 

いま(1980年ころ)

はしご車、救助車、救急車、排煙高発砲車、照明電源車、司令車、広報車、ポンプ車、レスキュー・タワー車、耐煙救出車(モグラ)、スノーケル車が ビル火災に出動。

 

 ヘリコプターが、屋上に 取り残された 人を 助けにやってきた。

 

消防自動車はかっこいいと思っている子、車好きな子どもには、たまらない絵本です。

  

江戸時代の火消しの様子、服装、道具が、しっかり描かれています。時代による消防の変化、各時代の社会の様子もわかります。歴史の認識は、子どもには難しいことですが、消防という具体的なことを通して、時代の変化や歴史について、わかっていくことでしょう。

 

ところで、消防車が赤いのは、なぜなのでしょうか。消防車の色は、じつは法律で決められています。また、なぜ赤になったのかについては、外国から輸入した消防車や蒸気ポンプが赤だったから、と考えられているようです。

 

初版は1981年ですので、いまの消防の「いま」とは、1981年ころのことです。

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※『むかしのしょうぼう いまのしょうぼう』 山本忠敬文・絵、福音館書店 2019年  (2023/6/12)

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