「そしたら、そしたら・・・」と、いろいろな出来ごとが、数珠つなぎのように起こります。
どこからか あおい ビー玉が ころがってきて
いけに おちた。
とっぽーん!
そしたら、そしたら・・・
かばが くしゃみをした。
ぐわーくしょん!
そしたら、そしたら・・・
きりんが すべつて ころんだ
すってん きりん!
そしたら、そしたら・・・
さるが わらいだした
きゃっきゃきゃっきゅ!
そしたら、そしたら・・・
(この形式が続きます)
さるの かおが テレビに うつった
おかあさんが テレビを 消し
もっくんが 泣き、
もっくんを なぐさめようと
アイスクリームが 冷蔵庫から でてくると、
冷蔵庫は おこりだし、
タンバリンが なり、
いぬが おどりだし
空の とんびが ないた。
そしたら、そしたら・・・
絵本のなかの 魔女が ねむり、
まっくらな夜に なり、
地球の反対側は 朝に なった。
そしたら、そしたら・・・
シカが とびまわった。
シカは あおい ビー玉を けっとばした。
こきーん!
そしたら、そしたら・・・
どうなった?
柚木沙弥郎(1922-2024)さんの力強い絵です。躍動感とユーモアに溢れています。各ページにでてくるオノマトペに、おもしろさがあります。オノマトペ(「すってんきりん!」「ぱむどむぱむ」「むにゃらむにゃむぐー」…)の文字は、絵の一部になっています。芹沢銈介氏に師事した、柚木沙弥郎さんらしい絵です。
絵本を読んでみますと、耳に快い響きがうまれます。「そしたら、そしたら・・・」で、ささいなことがつながっていくユニークな発想の絵本です。
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※『そしたら そしたら』 谷川俊太郎作、柚木沙弥郎絵、福音館書店 2000年 (2024/7/6)