ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ねこガム』-笑える、笑える

ナンセンス絵本です。

      ・・・

男の子が風船ガムをかんでいます。

 クチャクチャ

 プー

 クチャクチャ

 プー

ブーとふくれたガムは、ねこの顔になりました

 (おやおや)

  

男の子も プー

ねこも  プー

こんどは、息を吸います。

スー

スーと吸われて、男の子の顔はゆがんでいます
(ページをめくると)

 

 パクッ

 クチャクチャ

 

でも、ガムをクチャクチャしているのは、なんとねこです。

男の子は、ねこに吸われてしまいました。

     

 プー

ねこの口から、男の子が出てきました。

 プープー

 プープー

おとこのことねこは、ガムを膨らませようと、力いっぱい吹きます。

 プーブー

 プーブー

   

パァーン

     

風船ガムは破裂して、男の子の顔にぺッたりとついています。

笑えました。ナンセンス絵本の傑作です。「傑作」とは笑えるという意味の「お笑い事」でもあります。男の子がねこに吸われていく場面がシュールです。この場面を怖がる子どももいるかも知れません。

 

ガムを膨らませようとする男の子とねこの必死の表情が、傍から見ているだけに、読者にはとても可笑しいところです。文(オノマトペ)と絵の相乗効果が発揮された絵本です。紙芝居にしても面白いと思いました。紙芝居を「抜く」ことが、はなしの展開を一層劇的にすることでしょう。

      ・・・

※『 ねこガム 』 きむら よしお 作・絵、福音館書店、2009年  (2021/11/12)

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