ふるはしかずおの絵本ブログ3

『かしこいカメのおはなし』- アフリカ・タンザニアの昔話
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アフリカのタンザニアの昔話です。
      ・・・
ニャサという湖の岸辺に
ウサギ、イボイノシシ、トカゲ、カバ、ヘビ、ゾウ、クロアリ

そして、
かしこいカメ が住んでいます。。
でも、乱暴な動物がいます。
それは、

ゾウ カバ
      ・・・
ゾウ は、岸辺をドシン ドシン、
 けとばすやら、
 ふみつけるやら、
 ぶっこわすやら。
カバ は、ニャサの水の中で、ザブン ザブン、
 あわだてるやら、
 はねちらすやら、
 かきまわすやら。
ぬおう
どうぶつたちは思案します。
ゾウとカバを、いったい どうしたものだろうか?
かしこいカメ が、アイディアを出します。
「あいつらを、ちょっとひっかけてやろうか…」
 (でも、どのような計画なのでしょうか?)
       ・・・
かしこいカメが、ゾウに向かって言います。
あなたさまは、だれよりもつよいんですっね。それならぼくと、つなひきでしょうぶをしませんか?
今度は、カバのところで、かしこいカメが、カバに向かって言います。
「あなたさまは、だれよりもつよいんですっね。それならぼくと、つなひきでしょうぶをしませんか?」
       ・・・
その夜、

どうぶつたちは、一本の長いじょうぶな綱を 編みあげました。
日が、のぼりました。
かしこいカメは、ゾウのところで、
さあ、つなのはしをもってください
こんどは、カバのところで、
「さあ、つなのはしをもってください」
うう
綱引きのはじまり。
でも、勝負がつきません。なぜって、ゾウとカバが綱引きしているんですから。
太陽が空高くなったとき、
「そろそろ いいだろう」と
かしこいカメは、石の斧で綱をぷっつり切りました。
 (想像のとおり)
ふたりは、
ドッスーン!
ザッブーン!

       ・・・
かしこいカメは、ゾウのところで、
どうやら、ぼくがかったようですね
そして、カバのところで、
「どうやら、ぼくがかったようですね」
ゾウとカバは、

ずきずき じんじんする 頭で、

しょんぼり、がっくり、頷きます。
いったい こいつのどこに、あんな力がかくれていたんだ?
 ( みなさんはわかりますね。)
こうして、また、みんな仲良くくらしました。
       ・・・
クワ ヘリ ヤ クウォナーナ、ワナング 
それでは みなさん、さようなら。また あいましょう
うえふ1
力が強いとうぬぼれる ゾウとカバ。カメは、それを逆手にとって、知恵を働かせました。カメには知恵者というイメージがあります。ミュースの『3つのなぞ』という絵本の中では、人生の問題に悩むニコライ少年を導くのは、カメのおじいさん・レオでした。この絵本の場合、レオのような賢人というより、「あいつらを、ちょっとひっかけてやろうか」と言う人間味のあるカメです。
        ・・・
※『 かしこいカメの おはなし 』フランチェスカ・マーティン作・絵 福本友美子訳 ポプラ社 2000年  (2019/7/17)

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