ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 ぞうの エルマー 』- ぞうたちの世界から学ぶ

ぞうは象色? 

もし表紙のような象がいたら、どんなことが起こるのでしょうか。

「もし~ならば」の形でおはなしが創作されています。

      ・・・

あるところに、たくさんのぞうが 住んでいました。

みんな しあわせ。

みんな 象いろ。

でも、エルマーだけは・・・

パッチワークのぞう

 きいろに オレンジ

 あか ピンク

 あおくて みどりで 

 むらさきいろで

 くろくて しろい。

     ・・・

エルマーは、ふざけることが大好きで みんなを楽しませます。

でも、エルマーは自分の色に悩んでいます。

「だいだい、パッチワークのぞうなんて へんだよね」

 ( そうだね )

エルマーは、こっそり でかけました。

象いろをした木の実をつけた木をゆすり、

その実で、自分のからだをぞう色にしました。

象色になったエルマー。

でも、だれも気がつきません。

ついに、エルマーは鼻をもちあげ、

さけびました。

ブオオオー!

     ・・・

みんなは、びっくりぎょうてん。

「エルマーだ!」

ぞうたちは、わらって、わらって、わらいました。

雨がどっさり降りだすと、

エルマーは、いつものパッチワークのエルマーにもどります。

「きょうを記念日にしよう」

「エルマーの日とよぼう」

「みんな いろいろな色でかざろう。でも、エルマーだけは ぞういろの ぞうになるのさ」

     ・・・

そして、

毎年いっかい、エルマーの日がうまれました。

花や星やハート柄のぞう、カラフルな縞模様のぞう、水玉模様のぞう、パッチワークのぞうがいます。そして、もちろん、エルマーもいます。

カラフルで陽気なぞうのエルマーは、きっと子どもたちの人気の的となることでしょう。しかし、エルマーは、ほかの象と肌の色が違います。象色の象たちと外見が違うことに悩みますが、エルマーはやっぱりエルマーです。また、かれの周りには、肌の色や個性の違いを認め合う象たちがいます。そのような象たちに目がいきます。エルマーを受け入れる寛容な仲間に共感します。そして「みんな ちがう ぞうでも、みんな おななじ ぞう」と教えられます。もちろん、象たちに託して人間社会のことを語っています。

      ・・・

※『 ぞうの エルマー 』デビッド・マッキー作・絵、きむらさとし訳、 BL出版  2002年  (2019/5/10)

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