ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 かん字のうた 』- 漢字と出会う絵本
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川崎洋さんの詩「かん字のうた」が絵本になりました。
かん字 を楽しもう、体験しようという詩です。

   

    ・・・

 林がありました
 木がふえて
 森になりました

  

 人が
 木によりかかって
 休んでいます

 

 花が

 早く早くといったので
 草になってしまいました

  

 ユーモアがあり、エスプリのきいたかん字の詩です。

 山と山がかさなると、

 入れるときに離れると、 

 子どもにふたをしたら、

 円いと言うのに、

 雨と言う字のなかに、

 一たす一は二……

このあとは、どうなるのでしょうか。

漢字から生まれる意外な発想と展開が続きます。 

  

      ・・・

「雨と言う字のなかに/雨が/ふっています」の詩句を見ると、なるほどと思います。また、「石にだって/口が/あります」には深い人間的な真実が見えるようです。また、各連の3行目を隠して、何になるのか想像してみることも面白いでしょう。「田んぼで/力を入れたら/(  )になりました」。

   

「 窓 」

「窓」という漢字を見ていた子どもが「おじいさんがいる」と言いました。「窓」という漢字の中に「おじいさん」が見えるでしょうか? 

漢字を「絵」と見ている子どもの姿です。漢字(言葉)には意味だけでなく、音や形があります。意味を覚えることも大切なですが、音や形を楽しむ漢字(言葉)の体験があってほしいと思います。

※『かん字のうた』 川崎洋詩、久住卓也絵 岩崎書店 2017年 (2020/9/1)

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