ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 いろいろ へんないろの はじまり 』- もうしぶんのない よい眺めとは

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もし、 

世界に いろが なかったら ?

「 もし ~ ならば 」 と、

仮定して考えるのは、

おはなしを 創造する

「 ファンタジー の文法 」( G.ロダーリ )です。

     ・・・

むかし、

まほうつかいは、

色のない 世界を変えようと、

これを ちょっぴり、

あれを ちょっぴり、  

かきまぜて、

あおいろ を つくりました。

    ・・・

みんなに わけたら、町中が あおいろに!

もり

とり

いわ

くるまの 輪も

みんな あお。

でも、

こどもたちは あそばないで むっつり。

みんな 笑わなくなってしまいました。

       

 あおいろのおかげて、ゆううつで

 たまりませんよ 

       

つぎに  

まほうつかいが つくったのは、

きいろ

すべてが きいろ。

でも、   

目が チカチカ。

頭が いたくなりました。

     ・・・

つぎは、 

あか

すべてが あか。

 ( どうなったと思います ? )

 ( そう ! )

みんな 怒りっぽくなったのです。

     ・・・

まほうつかいは、いろを まぜて、たくさんの新しい色を つくります。

 むらさき      

 みどり     

 だいだいいろ   

 ちゃいろ

    ・・・

さまざまな色の 世界です。

あかい りんご

あおい 花

きいろい バナナ

むらさきの ぶどう

みどりの はっぱ

まほうつかいは 言います。

     

 うん、まったく もうしぶんのない  

 よい ながめじゃ 

       

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     ・・・

ローベルの 群像表現が みごとです。見ごたえがあります。たくさんの色がある世界。それは、個性的で、多様性の ある世界です。また、「 もし 色がなかったら 」と、仮定して考えることで、色のある世界のすばらしさを 再認識します。仮定 は、ファンタジーの文法認識の方法 です。 

     ・・・

※『 いろいろ へんないろの はじまり 』 アーノルド・ローベル作、まきたまつこ訳 冨山房  1975年 

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