ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 かぜは どこへ いくの 』- 寝る前の 親子の すてきな会話です

ベッドにはいる ぼく。 寝る前の 親子の会話です。
ぼくは、おかあさんに いろいろと尋ねます。
おかあさんは、ぼくの問いかけに どう答えるのでしょうか ?

どうして、ひるは おしまいになって しまうの ?
よるが はじめられるようによ。

かぜは やんだら、 どこへいくの ?
とおくへ ふいていって、どこかで
また、木を ゆらすのよ。

たんぽぽの ふわふわは ・・・ どこへ いくの ?
だれかさんの おにわへ ・・・。
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みちは みえなくなったら、どこへ いくの ?
むこうで、べつの子が みていて、あ、あそこから
みちが はじまったなって おもうのよ

山は、てっぺんまで いったら、どこへ いくの ?
ふたりの会話は 続きます。
おとこの子の質問に、ひとつひとつ 丁寧に答える おかあさん。
波は、
船は、
雨のみずは、
雲は、
トンネルにはいった 汽車は、
落ち葉になった 木の葉は、
秋は、
冬の終わりは?
最後に、おかあさんは 言います。
さ、いまは ねるじかん。
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ものごとは、絶え間なく続いていきます。ものごとの おわりは、新たなことの はじまり。 ベッドで眠ることは、きょうの終わり、明日のはじまりです。「おしまいに なっちゃうものは、なんにも ないんだね」。
不思議なことがいっぱいの世界、なんでも知りたいおとこのこ。おとこのこの問いかけには、「寝たら、ぼくは どこへいくの?」という 不安があるのかもしれません。でも、世の中がこのように続いていくことを知ることは、子どもに安心感を あたえることになるでしょう。おかあさんの やさしい言葉を聞いて、おとこの子は ぐっすり眠れたことと思います。
・・・
※『 かぜは どこへ いくの 』  シャーロット・ゾロトウ作  ハワード=ノッツ絵 松岡享子訳  偕成社  1981年 (2016/10/ 9)

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