ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 ゆきのひ 』- ピーターの ときめくこころ

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「ピーター、おぼえてる ?」
「おぼえてるよ。お風呂で天使のまねをしたよね。」
むかし、むすこに読んでやった絵本『 ゆきのひ 』。
天使のまねとは、絵本の中でピーターがする「スノーエンジェル」をまねた お風呂のなかの遊びでした。
    ・・・
ある朝、
ピーターが、目をさますと、
雪が、たくさん つもって いました。
ピーターは、赤いマントを着て ゆきのなかへ。
     ・・・
ゆきの うえに 
足あとを つけたり、
ねっころがって 
手足を うごかし、
天使のかたち( スノーエンジェル )。
 ( これをまねました。お風呂場で石鹸をつけて。 )
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木からゆきを 落とし、
ゆきだるまを つくり、
ゆきやまを すべります
     ・・・
ピーターは、家にもどり、おかあさんに ゆきのなかの 冒険のことを はなします。 そして、ゆきのなかでしたことを なんかいも なんかいも 思いだしました。
つぎの日、
ピーターは、もういちど、ともだちといっしょに、ゆきのなかへ でかけます・・・
     ・・・
素材を組みあわせるコラージュと切り絵です。白い雪と赤いマントのコントラストが鮮やかです。雪の舞うすがたは、ピーターの心のときめきと響きあっています。雪の日のピーターのよろこび、おどろきがいきいきと表現されています。「もう、ピーターは、あなたの心のなかに住んでいます。だれでも「ゆきのひ」に出歩くと、ピーターのことを想い出すでしょう」( 木島始 )。そして、ピーターは、おとなになった彼(息子)の心のなかに、いまでも住んでいることがわかりました。
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※『 ゆきのひ 』 エズラ = ジャック = キーツ文・絵、 木島始訳、 偕成社 1969年 コルデコット賞受賞作品(1963年)です。また、『 ピーターの いす 』もこのブログで紹介しています。(2016/12/9)

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