ふるはしかずおの絵本ブログ3

『おおかみ と 七ひきのこやぎ』-おかあさんやぎの 成長

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むかし あるところに、 こやぎを 七ひき そだてている
おかあさんやぎがいました。 そのやぎが こやぎたちを
かわいがることといったら、 どのおかあさんにも
まけないくらいでした。

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ある日、

おかあさんやぎは、

食べものを   さがしに  森に でかけます。

       おおかみに  くれぐれも  きをつけておくれ。

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このあと、

どうなったかは、  みなさん、  よくご存知のことです。

おおくの   絵本がありますが、

やはり、  この絵本が  第一。

心につよくのこる   ホフマンの絵。

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おかあさんやぎの  表情が、  とてもゆたかです。

出かけるときの 表情。

泣きながら、  立ちつく すすがた。

末っ子の   やぎをだきしめ、  涙をながす すがた。

おおかみの   おなかを縫うときの 瞳。

こやぎたちを、 寝かせる やさしい 背中。

あたたかい  家族の 雰囲気。

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『 おおかみと  七ひきのこやぎ 』 は、

おかあさんやぎの 成長を、 描いているようです。

おかあさんやぎは、 もちろん、 おおかみの おろしさを 知っていました。

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       あいつは ちょいちょい ようすをかえて やってくる。    

       でも しわがれごえと あしの くろいのに きをつければ、

  すぐわかるだろうよ。

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でも、

おおかみは、ずるがしこい人物です。

こやぎたちをだまして食べてしまいました。

おかあさんやぎは、おおかみの 恐ろしさを十分認識していなかったのです。

ほんとうの平和のために、

恐ろしいおおかみと

対決しなければならない、ということに彼女は思いいたりました。

そして、おかあさんやぎの勇敢な行動がうまれます。

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最後に、

おおかみは、井戸にはまり死んでしまいます。

「 おおかみしんだ! おおかみしんだ!」 と、

やぎたちは、 井戸のまわりでおどりました。

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この結末を「 残酷 」という意見もあります。

絵本の最後を伏せて、おおかみをどうしたらよいか、子どもに聞いてみましょう。子どもは、この結末を支持するのではないかと想像します。悪いことをすれば、罰をうけるのは当然のこととしているように思います。また、母親の立場になって考えますと、おおかみが成敗されるのは当然の帰結のように思います。

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※ 『 おおかみと 七ひきのこやぎ 』  グリム童話、  フェリクス・ホフマン絵、瀬田禎二訳、 福音館書店  1967年

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