ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 たいせつな きみ 』- 希望の言葉、生きる力をあたえる言葉

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たいせつな きみ」という言葉が、パンチネロに、生きる力をあたえました。神の愛の力がテーマです。
     ・・・   
パンチネロ は、
ウィミックスという 
ちいさな木の 小人 のひとりでした。
彫刻家のエリが 彫ったものです。
   ・・・
木の小人たちは、まいにち、
金ぴかのシール
灰色の だめじるしシール を 貼りあいながら暮らしていました。
可愛い小人、
才能のある小人は、いつも金の星シール です。
     ・・・
パンチネロは、だめシールをたくさん貼られています。
「 やつは、だめじるしだらけが おにあいだな 」。 
と言われ、
パンチネロは、つぶやきます。
「 どうせ ぼくは、だめなウィミックスだから 」。
     ・・・
ある日、
パンチネロは、不思議な女の子、ルシア に会います。
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金の星 シールも、
だめじるしも 付いていない 
木(素)のままの ルシア
ルシアは、 彫刻家のエリ に会いなさい、アドバイスします。
彫刻家のエリに会った パンチネロ。
彼にむけて、エリは言います。
      
 どんなシールが もらえるかってことを 気にしていると 
 シールのほうも おまえに くっついて くるんだ。 
 おまえが わたしの愛を しんじたなら 
 シールなんて どうでも よくなるんだよ。

      
パンチネロが、その言葉を信じたとき、彼のだめじるしのひとつが、地面に落ちたのです。
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彫刻家のエリとは 、創造主(神) の喩えでしょう。 神の愛の力がテーマですが、信仰の問題だけでなく、さまざまに意味づけることができる絵本です。自然にふるまう生き方とは何か、ありのままのたいせつさ、他者と違うことを受けいれる勇気、「たいせつな きみ」と言ってくれる人のありがたさ・・・
     
シールがついたり、はなれたりする喩えは、神の愛を信じるか否かの象徴ですが、自己の心に向けて考えますと「執着」を離れるか否かの喩えのように見えてきます。
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※『 たいせつな きみ 』 マックス・ルケード作、 セルジオ・マルティネス絵、 ホーバード 豊子訳、 いのちのことば社  1998年  (2018/12/15)  

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