ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ひとまねこざる』-テンポのよい映画的な手法です

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原題は Curious George Takes a Job(1947年)
知りたがりやの こざるのじょーじの冒険です。

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じょーじは、
動物園から逃げだし、
バスの屋根に乗って、町を見物です。
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おなかがすいた じょうじ。
レストランの台所で、お鍋のスパゲッティを食べています。スパゲッティは めちゃめちゃ。コックさんに見つかり、皿洗いの手伝いです。
でも、テキパキとお仕事。
きみは、 てが 4ほんもあって、いいなあ。( コックさん )
      
つぎは、高いビルの窓ふきの仕事です。
でも、部屋に入って、壁にイタズラ。ペンキで絵をかき、部屋をジャングルのようにしてしまいます。
その こざる を、つかまえて !( 奥さん )
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じょーじは、逃げ出し、足の骨を折って救急車に。
病院では、青いビン(エーテル)を嗅いで、ふらふらになり、失神してしまいました。 
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最後に、
じょーじは 映画に出演します。
タイトルは、「ひとまね こざるの だいかつやく
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映画が完成すると、じょーじは、病院の先生、看護婦さん、救急車の運転手さん、新聞売りのおじさん、マンションの奥さん、ペンキ屋さん、コックさんたちを・・・・みんな 招待しました。
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テンポのよい映画的な手法です。じょーじの内面にふれずに、行動を外側から描いています(三人称客観の視点)。行動的なじょーじです。食べること、いたずら書き、映画に出ることなど読者がやってみたいことを、じょーじが代わって実行します。場面がどんどん変わります。テンポがよいので、長いおはなしですが飽きません。じょーじとともに、読者は楽しい体験をします。この絵本、じつは2作目です。第1作は『ひとまねこざるときいろいぼうし』(Curious George 1941年)。じょーじが、アフリカから動物園に行くまでのおはなしです。
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※『 ひとまね こざる 』 H.A.レイ 文・絵  光吉夏弥 訳  岩波書店  1954年( 初版は1947年 )  ( 2016/12/21 )

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