ふるはしかずおの絵本ブログ3

『みんな なにが すき?』- 食べること、眠ること、遊ぶこと

ウサギ、たぬき、 カモノハシ 、 ワニ、おサル、ホロホロチョウが自分が好きなものや好きなことを言い合います。でも、ライオンは・・・

     ・・・

ある日、ウリボウが いいました。

ねえ みんな! なにが すきか いってください

     ・・・

「ウサギさんは、なにが すき?」

にんじんをたべること。

うたをうたうこと。

絵を描くこと。

      

ウサギさんがタヌキさんに聞きました。

「じゃあ、タヌキさんは、なにが すき?」

木の実を ぜーんぶ ひとりで食べること。

ポコポコ お腹をたたくこと。

葉っぱのベッドでおひるね。

      ・・・

こあとは、くりかえしです。

カモノハシさん、

ワニさん、

おサルさん、

ホロホロチョウさん、

みんな、すきなことを教えます。

       ・・・

「ライオンさんは、なにが すき?」

「そんなだいじなこと、おしえない」

「ぼく ききたい!」と、バッタさんが言うと、

「よーし おしえてあげよう! それはね・・・・」

 

わあー おしりごっつんこだって!

      

「ごっつんこだって」「それだ」「おもしろそう」「たのしそう」

みんなで おしりごっつんこ遊びです・・・

  (絵を見ますと、みんな楽しそうに遊んでいます)

「おもしろかったね」

「また ごっつんこ しようね」

「たのしい いちにちだったね」

食べること、眠ること、遊ぶこと。子どもたちがやってみたいことがいっぱいです。ワニさんとホロホロチョウさんが好きなことには笑えました。ワニさんは「スプーンのうらで目玉焼きを食べること」。ホロホロチョウさんは「ホロホロ泣くこと」でした。

   

みんなは、おしりごっつんこが大好きです。遊ぶって、楽しい、おもしろい。最後は、みんなで遊ぶことが描かれています。絵本のくりかえしの基本構造は、イメージをひろげ意味をせり上げる 変化・発展するくりかえしです。『みんな なにが すき?』は、その典型的な表現が見られます。

 

沢野ひとしさんの絵は、どこか愛嬌のある動物たちが描かれています。動物たちの好きなことでも笑えましたが、絵でも笑えます。 そして、読み終わったら子どもたちに聞いてみてください。「みんなは、なにがすき?」。きっといろいろと言ってくれるでしょう。

      ・・・

※『みんななにが すき?』沢野ひとし作・絵、福音館書店  2001年 (2022/4/8)

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