ふるはしかずおの絵本ブログ3

『北をめざして』-いのちを育む北極圏

命をはぐくむため、北極圏にやってくるどうぶつたちの絵本です。

     

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太陽は しずんだままの 真っ暗な世界。

雪あらしが、吹きまくり、

海は、あつい氷に おおわれます。

    

太陽が 顔をだし、

氷の下で、「藻」が、たくさんうまれ、

氷は 金色に 光って見えます。

     

ホッキョクグマホッキョクギツネが、動きはじめます。

    

   

 食べものを もとめ、

 子育てを するために 

 空を  飛び、

 陸地を あるき、

 海を  およぎ、

 何百万という 生き物が、北極にやってきます。

    

   

 コククジラは、

 8週間のあいだ 何も食べずに 北へ北へと 泳ぎます。

   

 

アジサシは、

3月、南極から、北極をめざして 飛びたちます。

オオソリハシシギは、ニュージーランドから

ハクガンは、メキシコから、

ソデグロツルは、中国から。 

 

カナダから カリブーが 移動します。

オオカミは、

よわった カリブーを ねらっています。

 

  

 セイウチ

 ニシン

 イッカク

 

 

太陽は 一日中 しずみません。

花が 咲き、

ハチの羽音が ひびきます。

蚊が 飛びたつとき、

けむりが 上るように 見えます。

どこもかしこも 新しい生命で いっぱいです。

   

9月

北極にやってきた

生きものたちは、ふたたび あたたかい南へ 旅立ちます。

    

冬。

そして、春。

ふたたび、

地球のあちこちで、

どうぶつたちの 大旅行が 始まります。

  

北極で、命をはぐくむ動物(鳥獣虫魚)と植物。北極は、春、夏、冬の世界、豊かな生命の世界です。

     

ホッキョクグマ、ホッキョクギツネ、コククジラ、カリブー、セイウチ、イッカク・・・哺乳類。

アジサシ、オオソリハシシギ、ハクガン、ソデグロツル・・・鳥類。

ニシン・・・魚。

ハチ、蚊・・・昆虫。

そして、藻や 草花。
        

科学の絵本ですが、文章は北極物語です。巻末解説で、北極の環境問題にも触れられています。

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※『北をめざして』 ニック・ドーソン作、パトリック・ベンソン絵、いだてつじ訳 福音館書店  2016年  (2023/9/19)

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