ふるはしかずおの絵本ブログ3

『わたしのせいじゃない』- いじめを傍観する・加担する

学校の 休み時間、

ひとりの おとこの子が 泣いています。

なにが あったのでしょうか。

 

      ・・・ 

クラスの みんなが 言いました。

わたしの せいじゃないわ

ぼくは  しらない。

見たけど わたしの せいじゃないわ

なにも  できなかった

一人では 止められなかった

 

 

 みんな たたいた

 ぼくも たたいた

 でも ほんの すこしだけだよ

 

 

はじめたのは わたしじゃない

その子が かわってるんだ

みんな ふつうなのに。

 

 

考えることが ちがうんだ

ひとりぼって 立っている 泣いているんだ

 

 

 泣いている 男の子なんて

 さいていよ

 

 

先生に いいつければ いいのに

なんにも  いわないんだもの

ひとことも しゃべらなかった

さけべは  いいのに。

 

 

 たたいても わたしは へいきだった

 みんな たたいたんだもの

 わたしの せいじゃないわ

 

      ・・・

いじめを傍観している子どもたちも、いじめに加担した子どもたちも、「わたしの せいじゃない」と言い張ります。いじめられる、おとこの子が、いけないのでしょうか?

  

いじめに対して、なにもしない子どもたち。責任を他になすりつけ、どこか他人事です。いじめに対して、なにもしないだけでなく、いじめであることに気づいていない、気づいていないふりをしている点で、二重にいけないことです。

 

本文が終わった後に、いくつかの写真が、掲載されています。

 

 原爆の きのこ雲、

 飢えた黒人の おとこのこ、

 兵士に抱きかかえられた 子ども、

 油まみれの 真っ黒な水鳥、

 ゴミを漁る 鳥たち、

 銃をもつ 少年兵。

  

これらのことも、「わたしの せいじゃない」のでしょうか。

考えることを はじめなければなりません。

       ・・・

※『わたしのせいじゃない-せきにんについて-』 レイフ・クリスチャンソン文、ディック・ステンべり絵。二文字理明訳、岩崎書店 2017年  (2023/7/30)

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