ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 うそうさぎ 』-絶対にいない うさぎ 

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画家・谷川晃一さんの『うそうさぎ』。

世のなかに絶対いないうさぎたちです

    ・・・
 うさぎ ぶた
 しましま うさぎ
 うさぎ とら
 うさぎ ひょう ( 上の絵 )
 うさぎ かば
 うさぎ へび
 うさぎ ごりら
 うさぎ ピカソ
 うさぎ ゆうれい
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 うさぎ だちょう
 うさぎ ぞう
 うさぎ じゃんぼ
 うさぎ つき
 うさぎ にんぎょ
 しろうさぎ (これはホンモノ)
    ・・・
どのようなうさぎかは、絵を見れば一目瞭然です。言葉より絵の本と言えるかもしれません。文章はダジャレで遊んでいます。

     
 うそだちょう / うさぎ だちょう
 うそが おおいぞう / うさぎ ぞう
 うそつき / うさぎ つき
  ( ちょっと やりすぎじゃない。)

  (そうかもしれない。)
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世の中に絶対にいないうそうさぎたちです。読者の感想は、きっと、「うっそ~~~」となることでしょう。

 

この絵本の笑いとユーモアは、読者の常識を前提にしています。うさぎや他の動物についての常識がないなら、意味のわからない絵本になるでしょう。「しまうま」と「うさぎ」を知っているから、「しまうさぎ」が笑えます。『うそうさぎ』の絵本を楽しめるということは、ある意味、子どもが成長した証です。笑いながらよめる絵本、想像力を刺激する絵本です。みんなでオリジナルな「うそうさぎ」を作ってみてください。

 

歴史をふりかえると、人間は複数の動物を合成して、多くの架空の存在を創造してきました。ペガサス、ミノタウロス、ケンタウロス、スフィンクス、マーメイド、キマイラ・・・。 この絵本の場合、合成された「うそうさぎ」は、ユーモアたっぷりで、グロテスクではないところがミソです。遊びごころいっぱいの『 うそうさぎ 』です。

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※『 うそうさぎ 』谷川晃一さく、 福音館書店  2014年 (2021/7/2)

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