ふるはしかずおの絵本ブログ3

『大統領を動かした女性 ルース・ギンズバーグ』- アメリカの正義の象徴

アメリカの最高裁判所の判事となった、ルース・ギンズバーグ(1933-2020)の伝記絵本です。

    

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1933年、

ルース・ベイダーは、

ユダヤ人の 両親のもと、ニューヨークで 生まれました。

小さいころの ルースは、

母の 影響もあり、本好きの子どもでした。

   

高校を 卒業するとき、

娘を大学に いかせるため、お金を ためていた 母、

ひとりで 生きていける 女性になることを 夢見ていた 

母が、

ガンで 亡くなりました。

 

 

その後、

彼女は、コーネル大学に 進みます。

そこで、

生涯の伴侶・マーティン・ギンズバーグと 出会い、結婚します。

   

ルースは、弁護士を めざしました。

1954年当時、

女性の弁護士は ほとんど いませんでした。

娘の ジェーンが 生まれます。

父親の反対が ありましたが、

ルースは、法科大学院に 進学することを 決意します。

    

子育てをしながら、

彼女は、ニューヨークの コロンビア大学法科大学院を 主席で卒業します。

しかし、

就職でも、女性差別を 経験しました。( 下記の証言F )

   

   

その後

弁護士としての ルースは、

女性差別を訴えた、6つの最高裁判で 主任弁護士をつとめ、

5つの裁判で 勝利を おさめました。

  

    

1980年 カーター大統領から、 控訴裁判所の裁判官に 任命されます。

1993年 クリントン大統領から、最高裁判所の 判事に 任命されました。

ふたり目の 最高裁の、女性判事でした

  

   

ルースは、

尊厳や 礼儀正しさ、

知性、静かな語り口など、大きな影響を 最高裁に もたらしました。

また、説得力のある反対意見を 書きました。

  

   

語り手は、こう結びます。

   

 ルース・ベーダ―・ギンズバーグは、けっして あきらめませんでした。

 ほかの人たちに、自分の限界を決めさせたりは しませんでした。

 ゆえに、ルースは自らが、アメリカの正義の象徴となったのです。

    

    

女性が、男性と同等の権利を認められていなかった時代に生まれ、生きた人でした。苦学しながら、自分の力で、未来を切りひらいた女性、男女の平等、女性の権利のために闘った女性として、彼女の生き方に励まされる人も多くいることでしょう。

    

ルースが経験した女性差別の実態が、8つの証言(AからH)として、絵本にのせられています。そのうちの証言Fです。

    

「女性に門戸を開いているはずの法律事務所ですら、ルースを雇うところはひとつもありませんでした。ルースは女性だったし、ユダヤ人だったし、なにより子どもがいましたから

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※『大統領を動かした女性 ルース・ギンズバーグ』 ジョナ・ウィンター著、ステイシー・イナースト絵、渋谷弘子訳 汐文社 2018年  (2023/8/16)

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