
暑い、暑い夏の夜に、月が溶けだすというユニークな発想の絵本です。
あつくて あつくて 寝苦しい 真夏の晩
ぽた・・・・ぽた・・ぽた
月が とけだした!
「えらいこっちゃ、お月さん、とけて はるがな」
おばあさんは、
たらいに 月のしずくを うけとめた。
とけた月で シャーベットを つくった
アパートは
電気を つかいすぎて 停電
あたりは 真っ暗
でも、
おばあちゃんの 家から きいろい ひかりが・・・
おばあちゃんは、
お月さんの シャーベットを みーんなに わけてあげた
お月さまの シャーベットは
つめとうて あまかった
たべたら あついのが すーっと とんでいった
こん こん こん
こんどは
あら まあ お月さんの うさぎさん
「お月さん きえてしもて すむところが なくなったん」
おばあちゃんが お月さんの しずくを
植木鉢に かけると
お月さんみたいに あかるい 月見草が さいた
月見草が 夜空に 顔を あけた
しばらくしたら
こんどは
夜空に ちいさい お月さんが
咲きはった
お月さんは
だんだん おおきくなって
さいろい まあるい まんげつに なりはった
うさぎさんは つきに かえって いった
「ほな おやすみ」
・・・
暑い夏の夜、月が溶けるというユニークな発想です。
お月さんが溶け、おばあさんがシャーベットにするところは、不思議ですが、すっと受け入れることができました。お月さんのうさぎさんまで登場しています。「お月さん きえてしもて すむところが なくなったん」はユーモラスです。うさぎさんの表情が笑えます。
うさぎさんは、どうやって月に帰るのでしょうか。
月のしずくを鉢にかけると、お月さんみたいにあかるい、月見草が咲きます。月見草が夜空に顔をあげると、こんどは「ちいさい お月さん さきはった」。月は、おおきくなり、満月になり、うさぎさんは、「らんらん おどって あたらしい うちへ かえって いった」。月のしずく、月見草、夜空に咲く月、満月と、イメージの流れは自然です。
じんぶつは紙で作った人形です。アパートはミニチュア模型です。長谷川義史さんは、大阪弁で表現しています。軽妙な感じになりました。
・・・
※『お月さんのシャーベット』 ペク・ヒナ作、長谷川義史訳、ブロンズ新社 2021年 (2026/5/18)









