ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 へっちゃら 君 』-ぼくは、へっちゃら じゃない!
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自分の気持ちを抑圧して生きている子どもがいます。

へっちゃら君もそのひとりです。

    

ある日、

へっちゃら君が、

ブランコに のろうとすると、

おれさまテッドが、 のっていました。

「のせて やらないぞ ! 」

    へっちゃら  へっちゃら。

へっちゃら君は、ブランコに乗れない悲しい気持ちを、半ズボンのなかにしまいこみました。

   

水たまりでころんでも、 

ジャムをつけられても、 

     へっちゃら     へっちゃら。

動物園がしまっていても、

友達に見すてられても、

くさいぞと言われても・・・

     へっちゃら     へっちゃら。

自分の気持ちをしまいこむのです。

しかし、こころはパンク寸前。

  

そのとき、

かしこどりは、 いいます。

きみのきもちを 少しでも、  

自由にして あげると いいよ。

      

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でも、

へっちゃら君は、 いいます。

きもちが たまっているから、

涙を ながしたら、 洪水になるよ。

おこったら、  すごいことになるよ。

     ・・・

へっちゃら君 から、

いかりの かけら

悲しみの かけらが でています。

涙 は、

ちいさな洪水に なりました。

怒ると、まわりは ゆれうごきます。

     ・・・

へっちゃら君は、

かしこどりに すべてを はなしました。

すると、

気分がよくなり、 かろやかな 気持ちになりました。

   ぼくは、 へっちゃら じゃない !

     ・・・

それから、

へっちゃら君は、へっちゃらで ないとき、

   へっちゃら じゃない !

と言うようになりました。

      ・・・

子どものこころのドラマに敏感に。大人に読んでほしい絵本です。

      ・・・

※ 『 へっちゃら君 』  マーゴット・サンダーランド作、  ニッキー・アームストロング絵、  森さち子訳、  誠信書房   2011年発行

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