ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 ちいさい おうち 』- バートンの  文明批評が みえます
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バージニア・リー・バートンの 古典的名作( 1942年 )です。

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むかし、

しずかな 田舎に

ちいさい おうちが     ありました。

あるとき

ちいさい おうち は、

遠くの町の あかりを見て、町に住んだら   

どんな気持ちが するものだろうと 思いました。

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 夏

 秋

 冬

 季節は めぐります ・・・

 夜、

 町の明かりが、前より近く、おおきく 見えはじめました。

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ある日、

馬のいない くるま ( 自動車 )

すちーむ しゃべる

と らっく

すちーむ ろーらー が 

あらわれ、ひろい道路が できました。

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ちいさい おうちの まわりには、

住宅がたち、

いつのまにか、町になって、

景色は、どんどん かわっていきます。

     ・・・

 さらに、

 電車がはしり、

 高層ビルがたち、

 町から 都会に。

 いまでは、季節の変化も わかりません

 ちいさい おうちは、ビルの谷間に ひっそりと ありました。

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春の あさ、おんなの ひとが、ちいさい おうちを 救います。そして、ちいさい おうちは、田舎にかえります。田舎では、なにもかもが たいへん しずかでした

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太陽の表情。

月の満ちかけの カレンダー。

春夏秋冬の 風景。

文章のレイアウト。

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ほんとうに、すみずみまで 神経の いきとどいた絵本です。

そして、都会と田園を対比して、しあわせとは何かを問いかけます。バートンの文明批評がみえる絵本です。

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※ 『 ちいさい おうち 』  バージニア・リー・バートン作、  石井桃子訳、 岩波書店  1954年発行   アメリカでの初版は  1942年。

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