ふるはしかずおの絵本ブログ3

『かさぶたって どんなぶた』-言葉で遊んで詩の世界へ

ことばあそびの詩のアンソロジー(18の詩)です。

声に出してみると、さらに魅力をはっきするような詩がいっぱいの絵本です。

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山中利子のタイトルになった「かさぶたってどんなぶた」をはじめ、まど・みちお、中江俊夫、島田陽子、阪田寛夫、與田準一、ねじめ正一、谷川俊太郎、有馬たかし、藤冨保男、藤哲生、秋原秀夫、川崎洋、松岡享子、マイケル・ローゼンの詩が載せられています。編者は詩人の小池昌代さんです。

 

★まど・みちお「がいらいごじてん」。語呂合わせです。

 

 ダイヤモンド=だれのもんだ

 マニキュア=まぬけや

 バウム クーヘン=どうも くえへん

 マロン グラッセ=まるう おまっせ・・・

★阪田寛夫「お経」。漢字ばかりでできています。

 

 電車馬車自動車

 人力車力自転車

 交通地獄通勤者

 受験地獄中高生・・・

 

お経を読むようにすると、本物のお経のように聞こえてくるから不思議です。

 

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★有馬たかし「せみ」。

語り手はせみです。

せみが「じぶん」「じかーん」「じゆう」と言っています。

「じぶん じぶん じぶん じぶん・・・」と12回。

「じかーん じかーん じかーん じかーん・・・」と12回。

「じゆう じゆう じゆう じゆう」と12回繰りかえします。

 

この詩も声に出して読むことで魅力が発揮されます。

何年も土の中でいきてきた蝉。ある時、地上に出て、残された命を精いっぱい、 自己主張して必死に生きています。

しかし、「じぶん」(自分)、「じかーん」(時間)、「じゆう」(自由)と鳴く蝉は、なんともうるさい限りです。本人は精いっぱい鳴いていますが、傍からから見ると、暑苦しく、いい加減にしてほしいという気持ちになります。自己の主張を繰り返す人物の滑稽さを描いているようです。風刺がきいています。

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あいうえおうた、おならうた、語呂合わせ、オノマトペ、韻、リズム、早口言葉などを活用して、言葉で遊ぶ詩の絵本です。日本語の多様な表現、おもしろさを体験できます。また、スズキコージさんの絵は、異質なものの組み合わせたコラージュですが、 詩にぴったりです。

 

ところで、幼児は言葉で遊ぶことはできるでしょうか。「さよならさんかく またきてしかく」などは、クラスのみんなで協力すればきっと面白いものができるでしょう。そして、この絵本、小学生以上の子どもにはきっと受けることでしょう。

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※『かさぶたって どんなぶた』小池昌代編、スズキコージ絵 あかね書房  2007年

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