ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 じんべえ ざめ 』- 「水の惑星 私たちの地球」

089海のなかを ゆうゆうと泳ぐ じんべえざめ
迫力があり、優雅な じんべえざめ。
仲間をひきつれる じんべえざめ。
新宮 晋さんの じんべえざめの 絵本です。
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 小さな耳 やさしい目
 とてつもなく大きな口
 白い気球のようなおなか
 山脈のような背中
 水玉もよう
 はてしない旅をつづける

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下から 描かれた じんべえざめ。
上から、
横から、
うしろから、
また、
間近で 描かれた じんべえざめ。
最後の絵は、宇宙の視点です。
     
人間が海の表面だと信じているものを、魚たちは空気の天井だと思って暮らしているのかもしれない。
     
水の惑星 私たちの地球
Planet of water, our Earth.
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はじめと おわりの言葉です。
人間にとって海面が、魚たちにとっては、空気の天井であるという ものごとの両義性。ひとつのもの(海)を 共有し合っている姿でもあります。空気も水も光も、そして地球も、わたしたちは、すべての生き物と共有しているのです。
また、「はてしない旅をつづける」じんべいざめの姿は、人間のメタファー(暗喩)のようです。詩的で深い哲学を感じます。風や水など自然の力で動く作品で知られる新宮晋。じんべいざめを題材にして、作家の自然観( 人間観? )を表現しています。
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※『 じんべえざめ 』 新宮 晋作・絵、扶桑社 、 1991年  (2017/7/25)

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