ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ちいさなきいろいかさ』- かさは、なっちゃんのこころです。

「ちいさな かさ」がキーワードです。テーマと読者への仕掛けになっています。

    

        ・・・

なっちゃんは かさを買ってもらいました。

     

 きいろい かさ。

 ちいさな かさ

 あめ ふってこないかな

    

 ぽちん ぽちん ぽちん

     

うさぎさん、

りすくんが かさに はいりました。

だっくすくんが ぬれています。

どうながの だっくすくんは かさに はいれないかな。

   

  

 つっ つっ つっ

   

   

かさが おおきく なりました。

  

ばくの親子が はいります。

かさは もっと おおきく なりました。

    

きりんさんも はいりました。

でも、高い木が とうせんぼ  

でも、だいじょうぶ(絵)

 

    

あめは 小降りに なりました。

ばくさんは 木の下で

うさぎさん りすくんは きのこの下で

だっくすくんは ながい どかんのなかで あまやどりです。

   

     

あめが やみました。

なっちゃんの かさも ちいさくなり、家にかえります。

    

 あめが ふっているのに どこで あそんでたの

    

 あのね

 あのね

 いいこと あったの

    

       ・・・

雨に濡れている、うさぎさん、りすくん、だっくすくん、ばくの親子、きりんさん。なっちゃんはみんな傘に入れてあげました。どうぶつたちを いれてあげると、なっちゃんのきいろい傘が、おおきくなりました。それは、なっちゃんの、優しいこころを象徴しています。

    

人物のことばに「 」をついていません。なっちゃん、どうぶつたち、語り手は、そして読者も、みんな、いっしょの世界に生きていることが表現されているようです。

       ・・・

※『ちいさなきいろいかさ』 もりひさし作、西巻茅子絵、金の星社 1971年  (2024/1/6)

SHARE