ふるはしかずおの絵本ブログ3

『そらから おちてきてん』- 災難は、どこにいても起こる

1.いわ 2.おちる  3.みらい  4.しずむ  5.まんいん。

ユーモラスな5つの話が はいっています。

 

    

1. いわ

 

カメは 黄色い花が お気に入りです。

花のそばに います。

   

 

 ここが すきやねん

 よそは いややねん。

 ここしか あかんねん。

   

 

でも、かめの上を 見ると、

おおきな岩が おちてきます。

 

 
アルマジロは いやな感じが しました。

でも、

かめは 動こうとしません。

   

 

かめの うえから、大きな岩が 落ちて きます。

へびも 新しい場所が いいと 言います。

   

 

 こっちの ほうが ええで-

 そっち いくわ-

   

 

そのとき、

黄色い花が 岩に 押しつぶされた。
かめ、助かったわ。


2. おちる

 

岩に 登っていた

かめが 岩から 落ちた。

  

逆さに なってしまいました。

 

 「どないしたん」

 「べつに」

 

ふたりの会話がつづき、結局 寝てしまう ふたりでした。

   

 

 
3. みらい

 

かめと

アルマジロは、未来について 考えます。

そこへ 

奇妙で 不思議な いきものが やってきます。

かめは 「わわわわわわわわ!!」

でも、

アルマジロは 気がついて いません。

 

「4.しずむ」「5.まんいん」も、とぼけた感じの3人の会話です。ユーモラスで、ナンセンスな世界が展開します。

3人のまわりで危機が迫ります。岩が空から落ちたり、奇妙な形の生きものが、近づいてきたりします。奇妙な生きものは、光線を放ちます。3人は、危機を回避しますが、どの場合も、全くの偶然の出来事の結果でした。でも、見ている読者は、緊迫感を感じます。ユーモアと危機感がないまぜになった絵本体験です

  

また、

偶然に落ちてくる、はじめの岩は、危機を招く岩でした。

空から落ちてくる、2番目の岩は、3人を攻撃しようとする生き物を 押しつぶしてしまいました。

2つの岩の出来事は、運命の比喩でしょうか? 私たちの身のまわりには、気がついていないが、危険がいっぱいだといっています。

 

THE ROCK FROM THE SKY(2021) 全96ページの絵本です。

    ・・・

※『そらから おちてきてん』 ジョン・クラッセン作、長谷川義史絵、クレヨンハウス  2021年  (2023/9/16)

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