ふるはしかずおの絵本ブログ3

『おかあさん』- おかあさんと「わたし」

おかあさんのことを、娘の「わたし」が語ります。

    

      ・・・

写真ケースの赤ちゃんの写真を見て・・・

 

 あのね。

 けいとの おくるみを きて

 わらっている この あかちゃん

 わたしの おかあさんなのよ

    

  

アルバムの写真を見て・・・

これはおかあさんが 子どもだったとき。

 

これは 学校に いっていたとき

これは ハイスクールのとき。

これは 大学を 卒業したとき

 

 

 これは おかあさんの

 はなよめすがた。

 まっしろい おはなみたい。

 

 

おとうさんと いっしょの しゃしん。

 

 

 あのね、

 おかあさんは 

 わたしに あう ひを たのしみに

 ずっと まっていたんですって。

    

 

 そしてね、

 それから わたしが きたの――

 あかちゃんに なって――

 

      ・・・

子どものとき、学校のとき、結婚したときのおかあさんを発見した、「わたし」。

おかあさんとおとうさんの子どもとして生まれた、「わたし」。

「わたし」はどこから来たのか、という疑問が解けたことでしょう

    

おかあさんも、昔は、赤ちゃんでした。「わたし」も、いつか、おかあさんになるということを実感したと思います。絵本の扉に、おかあさん、わたしの前に、遠くまでつづく一本の道が描かれています。この道は、おかあさんと「わたし」の未来、母子のつながりの永遠さを暗示しています。

       ・・・

※『おかあさん』 シャーロット・ゾロトウ作、アニタ・ローベル絵、みらいなな訳 童話屋 1993年  (2023/9/14)

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