![](https://ehon.furuhashi-kazuo.com/wordpress/wp-content/uploads/2022/05/-2-e1653960992851.jpg)
女の子のおとうとへの思いに、ガース・ウィリアムズが美しい絵をつけました。
シャーロット・ゾロトウの絵本です。
・・・
ある日、
おんなのこが
おとうとに してあげたいことを 語りかけるように言います。
のはらに おはなが
さきはじめたら
たくさん つんであげるわね。
ゆきがふって つもったら、
ゆきだるま つくってあげるわね。
あめが ふったら
バケツにとって、
はちのおはなに あげようね。
![](https://ehon.furuhashi-kazuo.com/wordpress/wp-content/uploads/2022/06/20220601_095704-3-e1654046235541.jpg)
この後は、くりかえしです。
かぜが ふいたら
うみへ いったら
まちに いったら、
えいがを みたら
まよなかに こわいゆめみたら、
パーティーに いったときの おみやげは、
かえりみちには くもをみて、なにに みえたか はなしてあげる。
夢のおはなし きかせて あげるわね。
わたしが
おかあさんに なったら
あかちゃん だっこさせてあげる。
こんなふうに。
![](https://ehon.furuhashi-kazuo.com/wordpress/wp-content/uploads/2022/06/20220601_095715-3-e1654046295870.jpg)
はじめのところを除くと、文は女の子の独白です。
ちいさなおとうとへの愛がつまった詩です。まわりのものごとに対して、感じたこころやよろこびを、おとうとと分かち合おうとしています。ほとんどひらがなで書かれていますが、ひらがなのやさしい感じが、女の子の心と響きあっています。読者も優しい気持ちに包まれます。
・・・
※『のはらにおはながさきはじめたら』 シャーロット・ゾロトウ文、ガース・ウィリアムズ絵、きやまともこ訳、福武書店 1984年
【 追 記 】
シャーロット・ゾロトウのこの絵本には、翻訳者と出版社をかえた新しい絵本『はるになったら』(おびかゆうこ訳、徳間書店 2003年)があります。 (2022/8/31)