そらまめくんの宝物は、ベッドです

雲のように　ふわふわ。

綿のように　やわらか。

 
えだまめくん

グリーンピースの　きょうだい

さやえんどうさん

ピーナッツくんが

「そのベッドで　ねむってみたいなあ・・・」と言っても

　

「だめ、だめ」

そらまめくんは、ベッドを　使わせません。

　
ところが、ある日、

　

　あっ！　ベッドが　ない！

　

みんなは、自分のベッドを　貸してあげますが、

「ちいさい」「ほそい」「うすい」「かたい」と　どれもだめ。

　　　　

何日も　さがしましたが　見つかりません。

くたくたになった、そのとき

　

　わっ！

　

うずらが、そらまめくんの　ベッドで　たまごを　温めていました。

　

そらまめくんが　何日も　見まもっていると・・・

ある日

パリッ　ぴょっ　ぴょっ

　

　ひよこが　うまれたー！

　

ひよこたちは、ベッドから　でて

おかあさんの後を　ついていきました。

　

　　　　　　　・・・

ベッドが見つかり、みんなで　パーティーです。

　　

　ふわふわ　ベッドが　みつかった　♬

　きょうは　たのしい　おいわいさ

　カシャ　カシャ、ドンドコ、プップクプー

　カシャ　カシャ、ドンドコ、プップクプー　♪

　

そらまめくんは　みんなと　夜がふけるまで　踊りました。

その後、みんなを　自分のベッドに　招待しました。

　　　　　

とてもかわいいそらまめくんです。頭に黒いすじがあり、下ぶくれな形ですが、どことなく愛嬌があります。また、絵に、どんぐりのカップ、干し草のタオル、顔を洗う場所、いろいろな草なども描かれています。

　

自分の宝物を貸したくない気持ちは、誰にもあることです。宝物のベッドをなくし、ようやく見つけたそらまめくんでしたが、うずらがたまごを温めていることを知って、そらまめくんの気持ちはだんだん変わってきました。

　　

幼稚園などで、玩具を取りあったり、貸しあげなかったりする年頃の子どもに読んであげたい絵本です。

　　　　　　・・・

※『そらまめくんのベッド』　なかやみわ作・絵、福音館書店　 1999年　（2023/4/21）