まど・みちおさんが なくなりました。
2014年2月28日。 104歳でした。
この絵本ブログでも、 まどさんの絵本について 2回載せています。
・自然との共生- 『 きりかぶのあかちゃん 』
・「 にじの橋 ひとつ 」- まど・みちお 『 わまわし まわるわ 』
・・・
「ぞうさん」 「やぎさんゆうびん」 「つけもののおもし」 「空気」 「けしゴム」 「音」「よかったなあ」 「リンゴ」 「タンポポ」・・・
どれも、 やさしいことばで、 ふかい真実。
そのなかでも、 私にとって 「空気」 は、 特別です。
なかなか、 この詩のようには いきませんが、
こうなりたい 自分を、 見つけることが できました。
・・・
空気 まど・みちお
・
花のまわりで 花の形
ボールのまわり ボールの形
ゆびのまわりで ゆびの形
・
そこに ある物を
どんな物でも そこにあらせて
自分は よけて
その物をそのままそっと包んでいる
自分の形は なくして
その物の形に なって…
・
まるでこの世のありとあらゆる物が
いとおしくてならず
その ひとつひとつに
自分でなってしまいたいかのように
・・・
ところで、
まど・みちおさんには、もうひとつ、 「空気」 という詩があります。
・・・
ぼくの 胸の中に
いま 入ってきたのは
いままで ママの胸の中にいた空気
そしてぼくが いま吐いた空気は
もう パパの胸の中に 入っていく・・・(後略)
・・・
この詩は、 絵本になっています。
あとがきに、まどさんは、書いています。
・・・
「 この世に 「有」 と 「無」 が あるとすれば、 「有」 は もちろん 「無」 であろうと 思われるところにも、 すべてに 「 くうき様 」 は ゆきわたっていて、 なにもかもひっくるめて 守ってくれている・・・。 ・・・ 「 くうき様 」 は、 だれかれの へだてなく、 まったく ふつうに、 ありふれたこと のように、 気づかせもせずも そこにいてくれる」。
・・・
空気のように、
だれかれのへだてなく、 そこにいてくれて、
やさしいことばで みんなを つないでくれたのは、
まど・みちおさん、
あなたの 詩でした。
・・・
※ 『 くうき 』 まど・みちお 詩、 ささめやゆき 絵 理論社 2011年発行