ふるはしかずおの絵本ブログ3

『勇士アフマド』- お調子者の冒険談

イランの昔話。

アフマドという お調子者の おはなしです。

  

     

ある日

アフマドは、鍛冶屋に 

やり一本で 300ものの敵をたおす 勇士アフマド

と、斧に 彫ってほしいと 頼みました

     

「300ものの敵をたおす」って、

ウソっぱちじゃないか、と言われると

アフマドは、言います

たおすのは、人じゃなくて、ハエだけどね

   

    

村人たちは、アフマドを

「勇士、勇士」と、からかいました

でも、そのうち、ほんとうの勇士のように 思えてきて

「勇士アフマド」と、呼ぶようになりました

   

   

噂を ききつけた、王さまは

勇士アフマドを 都に 召しだしました

   

 「勇士アフマドよ、まず王女と結婚を

  それから、戦場へ

    

結婚式が、盛大に おこなわれました

    

アフマドは

すこしも 望んでは いませんでしたが

戦場に 行くことに なりました

戦争に 行ったことのない アフマドは

馬の乗り方も しりません

    

   

しかたなく、アフマドは、

斧を もって 馬に またがり

腰から下を 馬のはらに くくりつけて もらいました

    

  

戦場で

アフマドの馬は 太鼓の音に おどろいて

はしりだしました

   

 「おお! さすが勇士! いちはやくかけだした!

    

馬は、ますます スピードを あげました

アフマドは 

一本の木を 見つけ、

その木に つかまろうと しますが・・・

 

 ずっぼーん

   

木は、あっけなく ぬけて しまいました

アフマドは おおきな木を かついだまま

敵に 突進しました

   

 「にげろー!」

    

敵は、ちりぢりに なりました

こうして、アフマドは、たたかうことなく、勝利しました

    

人びとに 感謝され

アフマドは

すえながく しあわせにくらしました、というおはなしです

 

             ・・・

斧に彫らせた「勇士アフマド」が、ほんもののアフマドを差し置いて、ひとりあるきを始めました。「うわさ」に振り回されていくアフマド。いつのまにか「勇者」となり、王さまに召し出され、おひめさまと結婚までします。そして、戦争に駆りだされますが、戦場では、馬の暴走から、敵めがけて突進。大木をかついで突進するアフマドに、敵もおどろき、退散しました。怪我の功名とは、このことです。そして、戦争に勝利して、みんなから祝福される大団円です。

        

勇者のおはなしではなく、主人公が「お調子者」というところに、おもしろさがありますが、ものごとは、なるようになるといった感じのおはなしで、ある意味、笑い話かもしれません。

  

         ・・・

※『勇士アフマド』 愛甲恵子文、網代幸介絵、BL出版 2025年  (2026/7/15)

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