
「自由」についての寓話(アレゴリー)です。
でも、すこし奇妙なおはなし。
町に やってきた
ナンティー・ソロ
彼女は、子どもたちを 鳥にかえられる、と言いました
大人たちは 怪しみ
「あのひとに ちかよってはいけませんよ」
と、言いました
でも、
ふらりと やってきた ドロシー・カーを
ナンティー・ソロが よびとめました
「ちょっと いっしょに すわらない」
ドロシーは
いけないことだと わかっていましたが
すわって しまいました
ナンティーは 地面に 模様を えがき
彼女の耳に なにかを ささやき こういいました
「さあ、たのしくね。とんでらっしゃい!」
1わの ツバメが 青空に とびたちました
でも、
ずっと ツバメだったわけでは ありません
ドロシーは、すぐ またドロシーに もどりました
コリン・フォックスは スズメに
スーザンは ゴシキヒワ
ウォルターは ミヤマガラス
おとなしい ウォルフガングは インコに 変身しました
空には 鳥になった 子どたちで いっぱいです
町の ひとたちは、
もちろん
ナンティー・ソロを 非難しましたが・・・
おや、
あの大きな男は?
オズワルド・マローンが 空に のぼっていきます
「ヤッホー、なんて ゆかいなんだ
みんな、こいよ! 空は ひろいぜ!」
おやまあ、みて
だれも かれもが のぼっていきます
まったく どうかしてる!
きみょう、きてれつ、きそうてんがい!
空は よろこびで いっぱい
とんで とんで はばたいて!
でも、
ナンティーが どうやって みんなを鳥にかえたのかは、わかりません
まもなく、
ナンティーは、姿を けしました
・・・
語り手が、お話に参加しています。
ドロシーが、ナンティーの前に座ると「あらあら」と、語り手は自分の気持ちを表しています。みんなが空を飛びだすと、「ほんとに すごい!」「とんで とんで みんな とんで」と言いだします。そして、最後に、ナンティーについて、いろいろな町を「旅しているみたいですよ」と語り、「そんなわけで、このおはなしは、これで おしまい。じゃあ、たのしくね。とんでらっしゃい」で終わります。
語り手は、「じゃあ、たのしくね。とんでらっしゃい」と、空を飛ぶことを聞き手に勧めて、おはなしは終えています。読み終わったあと、読み手は、子どもたちに「あなたも そらを とんでみたい」と問いかけてみるのもよいかもしれません。おはなしの終ったところから、読者の考えがはじまります。
読み手のあなたも、読者に問いを投げかける「開かれた結末」をつくってください。
たとえば・・・
いい人だったのかな、わるい人だったのかな。
あの不思議なナンティー・ソロは。
あなたは どう思う?
・・・
※『ナンティー・ソロ 子どもたちを鳥にかえたひと』 でイヴッィト・アーモンド作、ローラ・カーリン絵、広松由希子訳、BL出版 2023年 (2026/7/28)









