
抽象的な絵ですが、「対話」をテーマにした絵本です。
文が、おはなしを語ります。
絵と文も、「対話」しているようです。
おはなし しましょう
あのね
あのね
わたしの おはなし
だれかの はおなし
みんな ちがって いるけれど
てきと みかたに なりたくないから
はなしたいこと
はなしてみるよ
すきと きらいが ぶつかって
わるくちを いったり いわれたり
だまりこんだり
すれちがったり
まだ はなす
ほんとのことを はなす
どなり あったり
みみ うちしたり
おはなし いっぱい
きょうも
あしたも
抽象的な絵ですが、空気感、感情など会話のすがたを形で表現しています。
絵には、顔も表情もありませんが、読者は、「あ、話している」「怒っている」「黙っている」と絵を読んでいきます。読者は、絵に意味をあたえ、絵を完成させています。このように声に出したりしなくても、読者は、おはなしに参加して「対話」していくことでしょう。
絵本には、好き・嫌いがぶつかったり、悪口を言ったり言われたり、黙り込んだり、相手とすれ違ったりすることが描かれています。話すことは、分かりあうためだけでなく、すれ違う相手とつながり続けようとする営みでもあります。だから、「まだ はなす」のです。この一言に、人と人とを結ぶ言葉への信頼が込められているように思います。
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※『おはなし しましょう』 谷川俊太郎作、元永定正絵、福音館書店 2011年 (2026/8/7)









