
まーふぁと あーふぁの かなしい愛のはなしです。
むかし むかし
川の ほとりに
まーふぁという 歌の上手な 機織りむすめが すんでいました
歌声は、川の 向こうで
水牛と 野良仕事をする
あーふぁの 耳に とどきました
あーふぁは、
まーふぁのうたに あわせ、しょう(笙)を吹きました
ふたりは なかよしに なりました
あーふぁは、水牛に のって 川を渡って やってきます
ある日
戦いが はじまりました
まーふぁの国は 闘いに 勝ちましたが
あーふぁは 戦いから 帰って きませんでした
ある時
まーふぁは
しょう(笙)が 鳴っているのを ききました
でも
そこには
月の光をあびて 水牛が たっている だけでした
つぎの日
家の まわりは 荒れ野から 麻の畑に かわっています
まーふぁは 糸を つむぎ
かがやくような 布を 織りました
まーふぁは この布を 誰にも 売りませんでした
まーふぁは うたいます
二 四の 糸には 月のひかりを
三 五の 糸には 星のひかりを
流れる星は 六から 一に
山は 三めぐり
がび山は そこに もうすぐ そこに
星の夜
ひゅーっ ひゅっ! ぴーい ぴい!
しょうの音が きこえます
まーふぁの 布は 星ぞらを 川のように よこぎっていきます
そのうえを・・・
あーふぁと まーふぁが、なかよく 水牛に のって、
ゆったり ゆったりと、あるいていくのが みえました
まーふぁの織った布が、星空を川のようによこぎって流れます。うつくしい場面です。天の川を連想します。戦争は、まーふぁとあーふぁを引き裂きましたが、ふたりの愛は消すことはできませんでした。哀切なはなしですが、ふたりが、「水牛に のって、ゆったり ゆったりと、あるいていく」終わり方に救いがあります。
「峨眉山」という言葉が、さりげなく歌のなかに見えます。中国三大霊山の一つで、仏教、道教の聖地です。ふたりの愛の物語が、中国の大きな大地や山河へとつながっていくようにも感じられます。
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※『まーふぁのはたおりうた』 小野かおる文・絵、童話館出版 2001年 (2026/8/12)









