ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 マドレーヌといぬ 』- 1950年代のパリを背景にして

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パリの寄宿舎に、
クラベル先生とくらす、12人のおんなのこの おはなしです。
元気で、明るい女の子は、マドレーヌ
でも、今回は、
いぬの ジュヌビエーブ が 大活躍します。
     ・・・
みんなと散歩の マドレーヌ。
でも、おてんばをして、セーヌ川へ、どぼん!
そのとき、
1ぴきのいぬが、川に飛び込み、溺れかけたマドレーヌを 助けます。
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そのいぬは、ジュヌビエーブ と名づけられ、
みんなと暮らしはじめます。
ジュヌビエーブは、
かしこく、
ビスケットと、骨と肉が すき。
うたも 歌え、
散歩も 大すき。みんなの アイドルです。
   ・・・
しかし、
5月1日、学校検査の日、
評議員たちは、ジュヌビエーブを 捨てるようにいいます。
2どと ふたたび、まいもどるな。
    
いんちょうどの! おぼえていなさい!・・・あなたには、てんばつが くだりますから!
マドレーヌは、抗議します。
 (マドレーヌは、元気で明るい子だけではありませんね)
     ・・・
追いだされた ジュヌビエーブ。
みんなは 必死になって さがします。
モンマルトル通り、
サンジェルマン・デ・プレ寺院に面した 広場、
ペール・ラシェーズ 墓地、
チュイルリー 公園・・・
 ( 1950年代のパリの風景です )
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でも、ジュヌビエーブを見つけることができずに、みんながっかり。
その日の 真夜中、
ミス・クラベル は、
街灯の下で ほえている、ジュヌビエーブを 見つけました。
     ・・・ 
みんなは、
おおよろこび。
おおさわぎ。
ミス・クラベルが、3ど注意しに行くと 
こんどは、彼女は、びっくりぎょうてん。
みんなの数だけ、
 ( こいぬ? )
そう、12匹のこいぬが うまれていたのです。
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ベーメルマンスの名作絵本です。1954年にコルデコット賞を受賞しています。訳は瀬田貞二さんですが、改行、読点の打ち方、文節で文章にリズムをうみだしています。読まれることを意識してのことだと思います。余談ですが、瀬田貞二さんの絵本『きょうはなんのひ?』(林明子絵)のなかにも、この『マドレーヌといぬ』の絵本がでてきます。
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※『マドレーヌといぬ』 ルドウィッヒ・ベーメルマンス作・絵 瀬田 貞二訳 福音館書店 1973年(原作は1953年) (2017/7/30)

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