ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 く れよんの はなし 』-絵が 生まれ、 絵が 動きだす ?

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「 えを かこう !  えを かこう ! 」

8色のくれよんたちが、すこしずつ絵を描いていきます。

     ・・・

ぼくは 空と海をかくよ。  青い くれよん。

たいようをかくんだ。 島も。   黄色の くれよん。

おとこのこをかくよ。 木も2ほん。  茶色の くれよん。

だれだかわかる ?   の くれよん。

 ( それは かめ )

     ・・・

あそぶものを描くよ。  の くれよん。

 ( それは男の子の 棒 )

 ( かめの背中にもようもつけました )

     ・・・

でも、 おとこのこは うれしそうな かおをしません。  

「 きっと、 うちへ かえりたいんだよ。 」

     ・・・

ぼくが船を描いてあげる。  黒い くれよん。

旗を振れば見えるかな ?  白い くれよん。

でも、

船は、

まだやってきません。

     はやく !

     はやく !

旗に字をかいたのは ?  赤い くれよん。

  たすけて !

   ・・・

でも、 ふねは たすけにきません 。

   ・・・

そのとき、

絵のなかのかめが、むっくり顔をあげたのです。

おとこのこは、かめの背中に乗りました。

そして、

かめは、船のほうへ泳いでいきます。

 ばんざーい !

      ・・・

8色のくれよんが描いた絵( 世界 )は、島に残された男の子のことカメの絵 でした。それは 、絵の中の男の子にとって問題的状況でもあります。しかし、絵の中のかめが動きだし、おとこのこが救出されました。くれよんのはなしは、 わたしたちを取り巻くはなしでもありますこのような結末を描いたところに、ドン・フリーマン(1908~1978年)の願いが込められているようです。

     ・・・

※ 『 くれよんの はなし 』  ドン・フリーマン作・絵、  西園寺祥子訳、  ほるぷ出版 1976年

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