ふるはしかずおの絵本ブログ3

『よるのねこ』- 歩き回る、夜のねこ

夜のねこは、どのような生活を しているのでしょうか。

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夜でも よく見える目をもつ ねこ。

ぜんぜん眠くない ねこ。

夜は、探検の じかんです。

    

ねこは、何を見たのでしょう

 いろいろな形と色の 花。

 おおきなはねを持つ 蛾。

 

ねこは、どこを歩いているのでしょう

 とりごやの 中。

 でも、ねこが狙っているのは、ねずみ。

 

 納屋の裏、

 牧場

 めうしや馬が、眠っています。

 

 畑を荒らす ウサギを追いかける。

 鹿

 きつね

 スカンクと 会います。

 

広い道路にそって 町へでかけます。

 

町には、仲間のねこたちがいます。

 

夜が明けると、

ねこは、みんなに さよならを言って

家へ 帰ります。

 

      ・・・

 「ゆうべは よく ねむれたかい?」

   

奥さんがもってきたミルクを ぺろぺろ 飲みます。

それから、

椅子のうえで、寝てしまいます。

ご主人のリーさんが 言います。

 

 「なんて なまけものの ねこなんだ。

  よどおし ねていたくせに、昼間もまた 

  いちにちじゅう ねるなんて!」

     

ねこには、何にも聞こえません。

夜の冒険の夢を みながら、寝ています。

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猫の夜の冒険です。黒の世界からカラフルな世界の絵、カラフルな絵から黒い絵へと反復し構成されています。

黒で描かれた絵は、私たちの夜の世界です。

カラフルな絵は、猫が見ている世界を表現しています。猫は、暗闇では人間の6倍以上よく見えるようですが、実際、絵本のようにはカラフルな世界が見えているわけではありません。しかし、夜のねこには、ねこの世界が ありました。

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※『よるのねこ』 ダーロフ・イプカー文と絵、光吉夏弥訳、大日本図書 1988年

    

【 追 記 】

猫は夜行性の動物だと思っていましたが、ネットでこのような記事を見つけました。

「実際の活動様式は、夜行性でも昼行性でもなく「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい・クリパスキュラー)」と呼ばれるものです。聞きなれない言葉かもしれませんが、これは主に薄明(明け方)と薄暮(夕暮れ)の時間帯に最も活発に活動することを指しています。」(「みんなのペットライフ」の記事)  (2022/11/2)

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