ふるはしかずおの絵本ブログ3

『てを つなぐ』-世界のみんなと

「てをつなぐ」というのは、それ自体よいことのように思います。

でも、

「なんのために」

「誰と誰とが」手をつなぐのでしょうか。

      ・・・  

  ぼくは かあさんと てを つないだ

  かあさんは いもうとと てを つないだ

  いもうとは とうさんと てを つないだ

      

  つぎのては あったかくて やわらかい

  とうさんは だれと てを つないでいるのかな?

   (なぞなぞ仕立てです。答えはつぎのページ)

  おばあちゃんだ

       ・・・・・

以下は、手をつなぐことのくりかえしです。

人間だけでなく、地球上の生きものが手をつないでいきます。

はじめは、様々な職業の人たちです。

しんぶんやさん、おまわりさん、しょうぼうしさん、ほいくえんのせんせい・・・・

     

つぎは、外国の人たち。

南アフリカ、エストニア、ウズベキスタン、パキスタン・・・・

 ( 人種を越えてですね )

最後のタジキスタンの女性が、手をつないだのは?

あれっ にくきゅうがある 

だれの てかな?

ネコさんだ

        ・・・・・

つぎは、動物たちです。

ネコ、イヌ、ウサギ、ライオン、クマ、トラ・・・・・

ゾウのあとは ワシ。

ワシのつぎは ヘビ。

ヘビのつぎは 

なんと タコ。

タコのつぎは イカ。

イカのあとは ゴリラ。

ゴリラ、オランウータン、チンパンジー、そしてぼく。

        ・・・・・

でも、つぎは誰もいません。

手をつなげません。

おーい だれが きて-

あっ きた

でも とどかない・・・・・

でも、

つながる 手と手。

「てを つなぐ」という行為が繰り返されています。でも、手をつないでいるのは、人だけでなく、陸と海と空に住む地球上の生きものたちです。また、「てをつなぐ」ということには、「こころをつなぐ」という意味があるように思います。その行為は平和を象徴しています。

世界平和を願い、地球に生きるすべての仲間たちと「てを つなぐ」絵本です。「なんのために」「誰と誰とが」手をつなぐのかが分かりました。

いい絵本ですね。

          ・・・

※『 てを つなぐ 』 鈴木まもる 作・絵 金の星社 2017年 (2019/9/18)

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