ほんとうのことを言うことで、人を傷つけることがあります。
そのことに気づいたリビー(表紙の女の子)のおはなし。
オルボス(馬)にえさと水をやったの?
やったわ、ママ
リビーは、うそをついて、遊びに 行こうとしました。
はじめて、ついた うそ。
おなかが、苦しくなって、
涙がうかび、唇が震えます。
そのことで、ふたつもお仕置きをされた リビー。
これからは、ほんとうのことだけをいおう と誓います。
・・・
教会の 日曜学校で、
ルーシー・メイに、
くつしたに あながあいているわよ。
月曜日の 学校で、
先生に、
ウィリーは 地理の宿題をやってないんだって。
デイジーが、
舞台でせりふを わすれたことも、
チャールゼッタが、
いたずらをして、おしりを ぴしゃりとやられたことも、
トーマスが、
お昼ごはんを買う お金がなくて、先生からお金をかりたことも 言いました。
・・・
かえり道、
タッセルベリーさんから、庭の感想を 聞かれて、
あの、ええと、ジャングルみたい。
全部、ほんとうの事。
なのに、みんな、怒ってしまいます。
正直に言って、友だちを傷つけてしまった リビー。
ママは、リビーの手をとって言います。
おもいやりをもって ほんとうのをいうことは、ただしいことよ。
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つぎの日、
みんなと仲直りをする リビー。
タッセルベリーさんとも。
「 きのう、気分をわるくさせちゃって、ごめんなさい 」・・・
「 ほんとうのことは、すっと うけいれられないこともあるの。でも、そこに やさしいきもちがこもっていれば、ちょっとでも のみこみやすくなるわ 」とタッセルベリーさん。
ほんとうのことを言えばいうほど、周りとの軋轢をうむことになりました。自分が望ましいと思ってすることが、逆に望まない事態をひきおこすドラマです。 ママとタッセルベリーさんが言うように、相手を思いやる気持ちが大切です。やさしい気持ちのこもった言葉は、相手のこころに届き、行動を変えます。みんなとともに、よく生きるために、リビーは大切なことをこの体験から学びました。言うまでもありませんが、読者の子どもたちも、わたしもです。
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※『 ほんとうのことを いってもいいの? 』 パトリシア・C・マキサック作、ジゼル・ポター絵、福本 由紀子訳
BL出版 2002年 (2016/9/5)